優雅な大学都市、ドイツ・フライブルクの地域色豊かなクリスマスマーケット
|「ドイツ3大クリスマスマーケット」と呼ばれるニュルンベルク、ドレスデン、シュトゥットガルトのクリスマスマーケットをはじめ、各地で2500ものクリスマスマーケットが開かれるというドイツ。
日本ではあまり知られていなくとも、現地では人気のあるクリスマスマーケットがたくさんあります。
そのひとつがドイツ南西部、黒い森地方の大学都市・フライブルク。「ドイツ人が住みたい町」の筆頭に挙げられる町で、「フライブルクは美しい町だ」と称賛する声がしばしば聞かれます。
1805年まではオーストリアのハプスブルク家の支配下にあったこの町は、どことなく優雅な雰囲気をまとった歴史的な町並みが自慢。フライブルクのシンボルである大聖堂の塔は、「キリスト教世界で最も美しい塔」といわれています。
そんなフライブルクのクリスマスマーケットは、こぢんまりとした規模ながら、町の個性が表れたアットホームなマーケット。公共放送MDRのアンケートで、ドイツで最も美しいクリスマスマーケットに選ばれたこともあるといいます。
クリスマスマーケットが開催される時期になると、いつも以上にお隣のフランスやスイスなどからも多くの人々が訪れます。
フライブルクのクリスマスマーケットのメイン会場となるのが、旧市街の中心をなす市庁舎広場。
中央付近にレトロなメリーゴーランドが陣取り、その周辺にはさまざまな雑貨や食べ物の屋台が並びます。
屋台は市庁舎広場を超えてフランツィスカーナ通りの終わりまで続き、通りがまるごと「屋台の道」と化しています。
市庁舎広場周辺に次いで、2番目に大きい会場が「カルトッフェルマルクト」と呼ばれる広場。
小規模なマーケットではありますが、ここにお目見えする1887年製造のレトロな観覧車は必見です。高さ10メートルと小さいですが、上半分がオープンエアーになっている観覧車は、乗ってみると意外にスリル満点!?
屋台には、クリスマスオーナメントやキャンドル、木工製品、陶器、お菓子の焼き型などの定番アイテムはもちろんのこと、黒い森地方のリキュールやはちみつ、みつろうのキャンドルなど、この地方のお土産にぴったりの品々も並びます。
「エコシティ」として知られるフライブルクは、ヒッピー的気質をもつ人が多い町。それだけに、クリスマスマーケットにもエスニックな香りのする商品やアートな商品が多いのが特徴です。
ドイツのクリスマスマーケットに行けばどこにでもあるような商品ばかりが並んでいるのではなく、クリスマスマーケットでは見かける機会の少ないクラシカルな文房具や、スイーツに見立てた手作り石鹸、アンティーク雑貨など、見ているだけで楽しい品々に出会えますよ。
雑貨だけでなく、グルメ屋台だって見逃せません。ドイツのクリスマスマーケットでは定番中の定番のグリューワイン(ホットワイン)ですが、カルトッフェルマルクトに登場するグリューワイン屋台では、ちょっと珍しいロゼのワインが楽しめます。
半透明のおしゃれなグラスでちょっと優雅に、上品な味わいのグリューワインを堪能してはいかがでしょう。
食べ物もソーセージやラクレット、じゃがいものパンケーキ「カルトッフェルプッファー」、クレープ、ワッフル、ハンガリー風バウムクーヘン「クルトシュカラーチ」など、バラエティ豊富。
じゃがいもパスタの「シュプフヌーデルン」や薄焼きピザのような「フラムクーヘン」など、ご当地グルメにトライしてみるのもおすすめです。
日が暮れてくると、会場はいっそうロマンティックなムードに。
屋台の装飾はシンプルなフライブルクのクリスマスマーケットですが、そのぶんイルミネーションの美しさが際立ちます。派手な電飾ではありませんが、自然の木などを生かしたしっとりとした情緒漂うイルミネーションが魅力。
世界的に有名な大規模クリスマスマーケットもいいですが、地方都市の小規模なクリスマスマーケットを訪れることで、あまり観光地化されていない、ドイツの本当のクリスマスの雰囲気を味わうことができます。
ドイツ最大級のクリスマスマーケットが開催されるシュトゥットガルトからフライブルクへは、特急列車ICEで2時間弱。大小のクリスマスマーケットを訪ねて、その違いを楽しんではいかがでしょうか。
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