パンにはじまりパンに終わるパン天国・モロッコ、リヤドの朝ごはん

モロッコ料理といえば、日本でも広く知られるタジンやクスクスなどが定番。では、朝食はどうでしょう?

朝食となるといったいどんなものが食べられているのか、イメージできないという人も多いのではないでしょうか。

モロッコの朝食は、「パンにはじまりパンに終わる」といっても過言ではないほどのパン天国。クレープに姿を変えることもありますが、何種類ものパンが食べきれないほど出てくるのが特徴です。

実際に、モロッコの邸宅ホテル・リヤドでいただいたモロッコ式朝ごはんをご紹介しましょう。

中庭のあるモロッコの伝統的な邸宅を利用した宿泊施設・リヤドは、モロッコを旅する醍醐味のひとつ。B&Bと呼ぶのがふさわしいような手頃でカジュアルな宿から、超高級宿まで、そのランクはさまざまですが、たいていのリヤドで宿泊料金に朝食が含まれています。

宿泊施設によって違いはありますが、パンやクレープに、ジャム・バター・オリーブといったパンのお供が添えられ、生絞りのオレンジジュースとミントティーが付くのがモロッコの朝食の定番メニューです。

まずは首都のラバトで宿泊した「Riad Dar Karima」の朝ごはんから。朝食の場所は陽光降り注ぐ中庭。

メニューは3種類のクレープに、クッキーのような少し堅めのパン、ゆで卵、チーズ、ヨーグルト、ドライフルーツに生絞りのオレンジジュース、そしてモロッコ名物のミントティーです。

モロッコで温かい飲み物といえばなんといってもミントティーが基本ですが、たいていのリヤドではミントティーまたはコーヒーが選べるようになっています。

ここでの主役はクレープ。

四角く焼かれたクレープは「ムスンメン」または「メラウィ」と呼ばれるモロッコで最も一般的なクレープで、多くのリヤドでこの種類のクレープが朝食として登場します。日本で一般的なフランス式のクレープとは違い、パリッとした食感が特徴。油分が多いので少量でも満腹感があります。

丸いものは「バグリール」と呼ばれるモロッコ式クレープで、蒸しパンを薄くしたようなフワフワした食感。そしてもう一つが、私たちが「クレープ」と聞いてイメージするフランス式のクレープです。

量が少ないように思えるかもしれませんが、おかわりができるのでお腹いっぱいになるまで食べられます。バターやはちみつ、フルーツジャムとともにいただきましょう。

モロッコの朝食に関して、パン以外にもうひとつ特筆すべきは生絞りのオレンジジュース。

モロッコのリヤドの朝食で果物が出てくることはあまりないのですが、生絞りのオレンジジュースはかなりの高確率で出てきます。日本で生活していると、朝から生絞りのオレンジジュースを飲む機会はなかなかないので、贅沢な気分になれますね。

続いては、シャウエンで宿泊した「Dar Yakout」の朝ごはん。屋上のテラスでいただく朝食は気分爽快。

「Riad Dar Karima」の朝食との違いは、一見するとイングリッシュマフィンのような「ハルシャ」が出てきたこと。

セモリナ粉から作ってフライパンで焼いたハルシャは、少しもそっとした食感が特徴。どことなく日本の「おやき」を思い起こすような素朴で懐かしい風味に癒されます。

加えて、モロッコで最もポピュラーなパンである丸くて分厚いパン「ホブス」も登場。朝食のみならず、モロッコでレストランに入れば必ずといっていいほどこのパンがサービスで出てきます。

最後に、フェズで宿泊した「Riad-Boutique Borj Dhab Fez」の朝ごはん。朝食の場所は中庭を見下ろすレストランもしくは中庭が選べます。

ここでは、モロッコの定番クレープ2種のほかにバゲット(フランスパン)と、フレンチトーストが出てきました。かつてフランスの植民地だったモロッコでは、フランスパンやフランス式スイーツが身近な存在で、しかも味はハイレベル。

朝ごはんをのぞいてみるだけでも、モロッコの文化や歴史が垣間見えますね。モロッコを旅したら、パンにはじまりパンに終わる、パン大国モロッコのおいしいパンを中心とした朝食を楽しんでください。

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