実は穴場の観光スポット!誰でも入れるイギリス・ロンドンのフリーメイソンズ・ホール
|イギリス・ロンドンに本拠地を置く巨大組織「フリーメイソンリー(Freemasonry=団体名)」。イングランドとウェールズ及びチャネル諸島全体では20万人、全世界では600万人もの「フリーメイソン(Freemason=会員呼称)がいるとされています。
歴史的にも貴族や政治家などの権力者をはじめとする社会的地位のある会員が多く、「友愛結社」「秘密結社」などと言われることもあります。フリーメイソンになれるのは男性のみで、古風な儀式を行い、一般の人には理解できないさまざまなシンボルを持つことから、いまだ謎めいた印象もある同組織。
今回は、2017年に創立300年を迎えたイギリスのフリーメイソンリー「イングランド・連合グランド・ロッジ(United Grand Lodge of England、略称UGLE)」が入る「フリーメイソンズ・ホール(Freemason’s Hall)」をご紹介します。
ロンドン中心部の繁華街コベント・ガーデンに1933年に完成して以来、荘厳な雰囲気と威容を誇るこの建物。さぞかしガードがかたいのでは?と思う方が多いのではないでしょうか?
ところが意外にも、中には一般公開されているミュージアム、図書館、ショップ、ラウンジがあり、誰でも無料で入ることができる穴場の観光スポットとなっているんです。
入り口で荷物検査を受けたあと、2階にあるミュージアムへ。入り口の受付ホールは写真撮影禁止ですが、ミュージアムの中などは撮影可。
まずはミュージアムの入り口で音声ガイドを借りましょう。なんとありがたいことに日本語も選べます。
配布されているパンフレットや公式サイトによると、フリーメイソンリーとは、
「世界最古の『人種』『宗教』『政治思想』にとらわれない友愛的慈善団体のひとつである」
「英国最大の慈善団体のひとつであり年間3300万ポンド以上の寄付を拠出している」
「フリーメイソンリーへの参加動機は人それぞれである。ある人は社交目的で、またある人は家族や社会を助けるために、そして多くの人々は趣味として活動を楽しむために参加している」
と説明されています。
イギリスではチャーチル首相、ジョージ4世、ジョージ6世、エドワード8世、アメリカではベンジャミン・フランクリンやジョージ・ワシントンなどの大統領たち、マッカーサー元帥などの軍人、オーストリアの作曲家モーツァルトなどもフリーメイソンであったとされており、会員には歴史に名を残す人物も多くいます。
ミュージアムには世界のロッジから寄贈された記念品、集会で使用する衣類、装飾品、写真や書類などが並んでおり、フリーメイソンの歴史や制度などを知ることができます。
フリーメイソンリーの起源は、中世に存在した石工たちの職人団体だとされています。現在、組織の在り方は大きく変わったものの、石工の名残を示すように、シンボルマークには石工の道具である「直角定規(square)」と「コンパス(compasses)」が描かれています。
さらに、内部の階級制度に「徒弟(Entered Apprentice)」「職人(Fellow Craft)」「棟梁(Master Mason)」といった呼称が使用されており、集会では石工の作業着とされていた「エプロン(apron)」が着用されています。
実際に使用されている集会所も外から見学することができます。
天井の装飾も美しい図書室。
図書室の奥にもさらにギャラリーが広がっています。
見学に疲れたら、ミュージアムの隣にあるゆったりとしたラウンジで休憩が可能。フリーwifi完備、たったの50ペンス(約70円、2018年11月現在)で美味しいコーヒーや紅茶、ホットチョコレートも飲めます。
ミュージアム入り口と半地下階にあるショップでは、フリーメイソンの衣装のレプリカやアクセサリーなど、ちょっと変わったお土産も見つかるかもしれませんよ。
Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
The Library and Museum of Freemasonry
住所:Freemasons’ Hall, 60 Great Queen Street, London WC2B 5AZ, United Kingdom
開館時間:月~土、午前10時~午後5時
(8月25~27日、12月21日~1月2日は休館日)
ホームページ http://freemasonry.london.museum/