ベートーヴェンの故郷ボンで開催される新旧の混在するドイツのクリスマスマーケット

ドイツ南西部を流れるライン川沿いの町ボン。東西ドイツ時代には西ドイツの首都だったほか、音楽史において多大な影響を残したベートーヴェンの故郷としても知られています。

そんなボンで開催されるクリスマスマーケットは今年で記念すべき50周年に突入。新しいものと古いものが混在し、どこか懐かしい気持ちになったり、近未来的な風景に感嘆したりと楽しみ方も様々です。

クリスマスマーケットのメイン会場となるのは、大聖堂前にひろがるミュンスタープラッツと、そこから北へ抜けたところにあるフリーデンスプラッツの2ヶ所。通りにも華やかな飾りつけが施され、周辺一帯がクリスマスムード一色に染まりす。

ミュンスタープラッツの会場には巨大ピラミッドやレトロな観覧車が出現してノスタルジックな雰囲気。この光景が目に入った瞬間、筆者もまるで童心に戻ったかのような懐かしい気持ちになりました。

冬のドイツ、しかも夜はかなり冷え込みますが、その寒ささえ忘れさせてくれるかのような暖かい光に包まれたピラミッド。

観覧車の前にはベートーヴェンの像が立ち、クリスマスマーケットにやって来る人々を見守っています。普段は広い広場にぽつりと立っているベートーヴェンですが、この時期ばかりは沢山の人に囲まれて心なしか嬉しそう。

会場を囲む建物にも見どころが。この広場の脇に立つデパート「ガレリア・カウフホフ」には動くシュタイフのぬいぐるみが飾られていました。動きが可愛らしく、メルヘンの世界が本当にこの世にあるのかと感動するほど。

毎年見ることができる訳ではないので、今年のクリスマスの時期にボンへ行かれる方は必見です。

レトロで温かみのあるミュンスタープラッツを去ると、やがて視界に飛び込んでくるのは近未来を感じさせる建物。この「シティ・スカイライナー」はクリスマスマーケット50周年を記念して建てられた期間限定の展望台で、その形から「ボンで一番長いロウソク」とも呼ばれています。

乗客を乗せた展望台はクルクル回りながら高さ81m地点まで到達。上からはボンの旧市街が見えるのはもちろん、視界を遮るもののない360度のパノラマを独り占めできます。

フリーデンスプラッツでは、ピラミッドがコンサート会場に変身!80年代から最新のヒットソングが歌われ、集まった人々も音楽に合わせて自然と体が動いてしまいます。クリスマスマーケットの会場では伝統的な音楽が流れている所が多いですが、この様なノリノリのコンサートも趣が違って面白いですね。

会場ごとに多種多様な雰囲気が楽しめるボンのクリスマスマーケット。50周年を迎える今年は、いつにも増して豊富なプログラムも用意されています。今年の開催は12月23日までとなります。

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取材協力:ドイツ観光局