【世界の街角】ドイツ・フランクフルトから行ける穴場 / 木組みの街並みが美しい街「ゲルンハウゼン」

日本からの直行便が発着しているフランクフルトから電車で30分ほどの場所に、ゲルンハウゼンという美しい町があります。3時間あれば一周できるほどの小さな町ですが、そこはカラフルな木組みの家の宝庫です。

フランクフルト近郊でありながら、訪れる観光客はほとんどいない穴場。旧市街をしっとりと歩きながら、メルヘンの世界にどっぷりと浸ってみてはいかがでしょうか。

ゲルンハウゼンがあるのは、フランクフルトから東へ向かった地域。近代的な高層ビルがならぶ街並みからたった30分移動するだけで、全く趣が異なる古い街並みに出会うことができます。

町は1170年、当時のローマ皇帝フリードリヒ1世によって創設されました。立派な赤ひげを蓄えたフリードリヒ1世には「バルバロッサ(赤ひげ)」というあだ名があったことから、町は現在でも「バルバロッサの町」という呼称を誇らしげに掲げています。

中世のゲルンハウゼンは主要交易ルート上に位置していたため、多くの商人が住み着き町を繁栄へ導きます。ときにはフランクフルトに匹敵するほどの財力を手にしますが、その後はフス戦争をはじめとする戦渦に巻き込まれ、町は衰退。魔女狩りも行われ、多くの市民が犠牲になりました。

現在の街並みは、そんな悲しい過去からは想像できないほど長閑なもの。家々をじっくり観察しながら、のんびりと町の散策を楽しみましょう。

木組みの家が集中しているのは、「オーバーマルクト」、「ウンターマルクト」という2つの広場。駅から歩いてくるとまずたどりつくウンターマルクトではカラフルな木組みの家が壁のように一面に並び、そのうしろからマリエン教会が頭をのぞかせています。

木組みの家の1階部分にはカフェやお店が入っていますが、2階より上は住居として使われているのでしょう。ここまで完璧な町並みでも、そこにはちゃんと人々の暮らしがあるのです。

オーバーマルクトはウンターマルクトよりもやや大きな広場で、日によっては青空市が開催されます。地元の人に混じって地域の野菜や果物を物色するのも楽しいですよ。

町ではかつてガス灯が使用されていた事から、現在でもガス灯風の電灯がいたるところに設置されています。周囲の雰囲気にもうまく溶け込み、日が落ちると柔らかな光によって旧市街が幻想的に照らしだされます。

旧市街ではほかにも、雰囲気の良い細い道がいくつも通っています。どこを見ても画になる町のなかから、お気に入りの風景を見つけてみてください。

美しい木組みの家を見ながら、のんびり散策が楽しめるゲルンハウゼン。「ドイツらしい町並みを楽しみたいけれど観光客ばかりの所は・・・」という方にはぜひ訪れていただきたいスポットです。

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