ドイツの「音楽の街」ライプチヒでクラシックの巨匠ゆかりの地や本場のオーケストラを楽しむ

ドイツ東部においては、ベルリンに次いで第二の規模を誇る町ライプチヒ。バッハやメンデルスゾーンをはじめとする名だたる音楽家との繋がりが深く、現在でもオーケストラ等音楽活動が盛んなことから「音楽の街」とも呼ばれています。

クラシックやオペラ好きな方達にとって聖地とも言えるこの町には、ファンなら一度は訪れてみたいスポットやイベントが目白押し。音楽家ゆかりの場所やコンサートを体験しながら、ライプチヒで今も進化し続ける「音楽」という名の芸術にどっぷりと浸かってみるのがこの街おすすめの過ごし方といえるでしょう。

「ライプチヒ×音楽」でまず名を挙げるべき人物といえば、「音楽の父」や「バロックの巨匠」との異名も持つヨハン・セバスティアン・バッハ。街のちょうど真ん中あたりにあるトーマス教会は創立が1212年まで遡る大変歴史のある教会であり、バッハと深い縁のある場所のひとつです。

バッハは38歳から65歳で没するまでのあいだここで音楽監督を務めながら、教会の少年合唱団の指導や自らの作曲活動にも尽力をしました。彼が作曲しこの教会で1727年に初演書迎えた「マタイ受難曲」は、宗教音楽における最高峰のひとつに数えられる大作として知られています。

数々の名曲を世に生み出しながらも、その死後は名実ともに忘れ去られていてしまったバッハ。そんな彼の再評価に一役買ったのが、ロマン派の作曲家として活躍したメンデルスゾーンでした。彼が1829年にベルリンで行った「マタイ受難曲」の公演をきっかけに、バッハの楽曲は以前にも増して高く評価されるようになったのです。

このほかゲヴァントハウス管弦楽団(世界最古の市民階級によるオーケストラ)の楽長としての活躍やドイツ初となる音楽院の創設など、19世紀のドイツ音楽界に大きな影響を与えたメンデルスゾーン。彼が亡くなるまで住んでいた家は「メンデルスゾーン・ハウス」として公開されています。

マルチメディア機器を使って楽曲を聴いたり指揮者の体験をする事ができるスペースも用意され、メンデルスゾーンという人物が残した功績を体全体で追体験ができます。

一家が実際に使用していた家具や調度品が当時と同じ配置で置かれている部屋からは、かつてここで営まれていた生活や音楽活動のようすが直に伝わって来るかのようです。毎週日曜日には小さな演奏会も行われているので、このタイミングでライプチヒに滞在する方は出かけてみるのもおすすめですよ。

メンデルスゾーン・ハウスの近くには、さきほども少しだけ触れたゲヴァントハウス管弦楽団の本拠地であるコンサートホールがあります。現在立っているのは1918年に完成した3代目となる建物で、1900席あるヴィンヤード型のホールは音響が素晴らしいことでも有名。楽団の評価も国内外で高く、日本公演はベルリンフィルやウィーンフィルにも負けないほど。

バッハやメンデルスゾーン、ゲヴァントハウス関連では、毎年または数年ごとに音楽祭も開催されます。毎年6月に開催されるバッハ音楽祭ではトーマス教会をはじめとする会場で、100以上ものコンサートが楽しめます。ゲヴァントハウス音楽祭はゲヴァントハウス管弦楽団はもちろん、ベルリンフィルハーモニーやロンドン交響楽団をはじめとする世界トップレベルのオーケストラがライプチヒで一堂に会すビッグイベント。次回開催は2021年5月13~24日です。

残念ながら音楽祭にはタイミングが合わないという方は、記事中で紹介したスポットに加えワーグナーやシューマンゆかりの地、最大級の楽器収集を誇るグラッシィ楽器博物館を訪れてみるのも良いでしょう。世界最古のクラヴィコード(鍵盤楽器の一種)をはじめ、5000点もの楽器を集めた展示は見ごたえたっぷりです。

様々な音楽関連スポットやイベントを擁し、まさに音楽が生きている街ライプチヒ。ここで進化し続ける音楽を、ぜひ現地で直に感じ取ってみてください。

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