旅人と飛騨高山の”GOOD LOCAL”な出会いを紡ぐホテル hotel around TAKAYAMA

2021年7月30日に岐阜県高山市の高山駅近くに開業した「hotel around TAKAYAMA(ホテルアラウンド高山)」は、”GOOD LOCAL”をコンセプトにした新しいブランドのホテルです。

“GOOD LOCAL”とは「地元の人に愛され根付き、文化を作っていく、地域の宝物のようなもの」。

ホテルの中で楽しむだけではなく、ホテルをハブとして地域とつながり、GOOD LOCALを体験する旅のスタイルを提案しています。

吹き抜けのロビーはふんだんに木が使われ、あたたかい印象です。ロビーだけでなく、館内のあちこちに飛騨の森で育った木を使った家具や端材を活かしたアート、地元の工芸作家が作った照明など飛騨高山らしいものがちりばめられています。

ロビーの隅にある「GOOD LOCAL100」と書かれたボードには、飛騨高山のGOOD LOCALを

・PEOPLE(人)
・CULTURE(歴史・文化)
・FOODS(食)
・PRODUCTS(モノ)
・EXPERIENCE(体験)

…の5ジャンルに分けて紹介する100種類のカードがかけられています。興味のあるカードを持っていけば自分だけの旅行ガイドブックを作れる、というわけです。

飛騨市在住のイラストレーターさんが描いたかわいいイラスト付きカードの裏面には、店舗情報とマップ、公式サイトまたはGoogle MapのQRコードが載っていて、スマホからチェックできます。

「飛騨春慶塗って何だろう?」「飛騨牛にぎり、食べてみたいな」「半弓道場で弓の射的をしてみたい」など、旅人が地域とつながる仕掛けがユニークです。

■客室の種類

hotel around TAKAYAMAの客室数は全152室(全室禁煙)で、客室タイプは以下の5種類です。

・ファミリールーム(全5タイプ) 44~82㎡
・ツインルーム(全3タイプ) 22~24㎡
・キングルーム(全1タイプ) 30㎡
・クイーンルーム(全2タイプ) 18~22㎡
・ユニバーサルルーム(全1タイプ) 29㎡

どのお部屋も落ち着いた雰囲気で、GOOD LOCALを感じる客室インテリアが置かれています。

眺望はお部屋によって異なりますが、東側を向いたお部屋の窓からは飛騨山脈が、西側を向いたお部屋の窓からは白山が見え、飛騨高山らしい雰囲気を感じられることでしょう。

ジャパニーズスタイル-飛騨-は最大6名まで泊まれる和洋室で、家族やグループの旅行にぴったり。

落ち着いた畳敷きのリビングスペースでゆっくりとくつろげます。

なお、ファミリールーム、キングルーム、ユニバーサルルームはバス・トイレがセパレート、ツインルームとクイーンルームはバス・トイレがいっしょになった間取りです。

■お部屋の備品とアメニティ

hotel around TAKAYAMAでもっとも多い客室であるスタンダードツインルーム(22㎡)のお部屋の備品やアメニティを紹介します。

オープンクローゼットには木製のハンガーと洋服ブラシ、靴べら、消臭スプレーがかかっており、下段にはセーフティボックス。その奥の壁には薄型液晶テレビが備え付けられています。

テレビの前にはテーブルとチェア2脚。飛騨高山の家具はフォルムが美しく、手触りがすべらかで心地よいです。

ダークグレーを基調としたシンプルなインテリアにもかかわらず、無機質にならず、暖かみを感じるのはこれらの木製品やウッディなパネルのおかげでしょう。

テレビ画面ではホテル案内、無料Wi-Fi案内、館内(朝食会場・ランドリー・大浴場)の混雑状況を確認できます。足元には加湿空気清浄機が置かれていました。

ベッドは幅123cmのシングルベッドが2台。マットレスはやや固めで、ピローは2タイプが用意されていました。ヘッドボードには照明のスイッチとつまみのほか、コンセントとUSBポートがあり、枕元でスマホの充電が可能です。

ベッドの上に置かれていたトートバッグの中にはセパレートタイプのルームウェア、バスタオル、フェイスタオルが入っていました。このバッグはそのまま大浴場へ持っていけます。

ルームウェアは長袖・長ズボン・前ボタンタイプ。とてもやわらかく、肌触りのよい藍染めです。

窓際には木製キャビネットがあり、中には冷蔵庫(中身は空)が入っています。

キャビネットの上には客室備品の電気ケトル、ボックスティッシュ、電話機、マグカップ、グラス、サービスのミネラルウォーターとティーパック。

ティーパックは飛騨北部の金山町のきれいな水と空気で育った、飛騨で唯一生産されている煎茶「飛騨産金山茶」です。気に入ったら、地元のお茶専門店「松風園まつの茶舗」で購入できます(裏面にマップあり)。

ツインルームのバスルームは、バス・トイレがいっしょになったコンパクトなユニットバスです。新しいホテルなので水回りもとてもきれいで、気持ち良く使えます。

バスアメニティは、シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、洗顔フォーム、歯ブラシ、ヘアブラシ、ボディタオルです(※大浴場と一部客室のみ「雪肌精」のスキンケアあり)。

吊り下げられた黒いバッグの中にはヘアドライヤーが入っています。

■館内施設

ホテル2階の壁面には、マスコットで有名な「さるぼぼ」、「手長」「足長」という神さま、「雪入道」という奥飛騨の妖怪など、飛騨高山を形づくってきた歴史上の人物や動物、伝承されてきたキャラクターのイラストが描かれています。

隣のギャラリーには、飛騨高山の文化をより深堀りしたコアな書籍や、木彫りの雪入道も。このように、館内のあちこちに飛騨高山の歴史や文化、伝承を知るきっかけが用意されています。

1階の「GOOD LOCAL STORE」は、GOOD LOCALで紹介された食品や工芸品を購入できる展示販売コーナーです。

飛騨高山の木でできた小物やアクセサリー、地元作家によるカップや器など、地元ならではの素敵なモノがずらり。このストアをきっかけに実店舗を訪れたり、SNSをフォローしてファンになったりと、ここにも地域とつながる仕掛けがあります。

8階「ジ・アラウンドフロア」には、ジ・アラウンドフロア宿泊者だけが利用できる専用ラウンジがあります。冷蔵庫にあるお酒(飛騨の日本酒「蓬莱」や缶ビール)、ソフトドリンクはフリー。壁のアート作品は一見の価値ありです。

2階には、温泉(運び湯)を楽しめる宿泊客専用の大浴場があります。

お風呂は、男性用、女性用、貸し切りの家族風呂の3種類です。中庭の緑を眺めながら、ゆったりと大きなお風呂に浸かれますよ。

■夕食

夕食は、飛騨高山の食を楽しめるダイニング&バー花岡で、「飛騨ブランド豚と地鶏の陶板焼き」や「飛騨牛赤身肉の陶板焼き」などのディナーコースをいただけます。

飛騨牛赤身肉の陶板焼きコースは、前菜盛り合わせ、地元野菜の旬菜サラダ、熟成マグロのカルパッチョ、国産牛のクロケット、飛騨牛もも肉 陶板焼き、ご飯、味噌汁、香の物という内容です。

前菜はすべて高山食材が使われており、目でも高山を楽しめました。飛騨牛赤身肉は噛みしめると口中に旨みが広がり、とても美味しかったです。

お酒の種類も豊富で、オリジナルのカクテルもあります。おすすめは、ビーフィータージン、松風園まつの茶舗 煎茶 白川の露、檜ビターズ、ソーダ、トニック、ライムスライスで作ったカクテル「森かおるジントニック」。

ほかにも、市内蔵元酒の個性を引き出し飛騨山椒でキリッと仕上げた「高山SAKEソニック 飛騨山椒添え」や、高山産リンゴジュースを使った「林檎と糀のエスプーマ」などがあります。

■朝食

朝食は、高山彩り 四重玉手箱(和食)。内容は、焼き鮭の朴葉味噌添え、飛騨高山惣菜のスペシャリテ、彩り前菜盛り合わせ、地元野菜のパワーサラダ、ご飯、お味噌汁です。

お重には高山の郷⼟食のこも豆腐、飛騨ほうれん草や赤かぶ漬け、みたらし団子など。飛騨コシヒカリの白ご飯や、高山で醸造された味噌で作った味噌汁など、高山食材をたっぷり使っています。

お味噌が気に入ったら、卓上のQRコードでお味噌屋さん(糀屋柴田春次商店)の場所を読み取って、買いに行くことも可能です。こんなふうに細かな部分でもホテルと地域がつながっており、外に出たくなる”GOOD LOCAL”な仕掛けがされています。

筆者も滞在中にホテルから外に出て、高山の古い町並みを散策し、飛騨牛にぎりを食べて、半弓道場で弓の射的体験をし、宮川朝市でお土産を買う…と、GOOD LOCALを堪能してきました。

hotel around TAKAYAMAは高山駅から徒歩4分で、飛騨高山旅行の拠点におすすめのホテルです。

高山の見どころは駅の近く、すなわちホテルから徒歩圏内にまとまっているので歩きでも十分見て回れますが、もっと遠くまで行きたければ、電動レンタサイクル(先着順)も利用できますよ。

Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

【施設情報】
名称 hotel around TAKAYAMA(ホテルアラウンド高山)
住所 岐阜県高山市花岡町1丁目42-7
最寄り駅 JR「高山」駅(徒歩4分)
客室数 152室(全室禁煙)
公式サイト https://hotel-around.com/takayama/
公式Instagram @hotelaroundtakayama