【日本純喫茶紀行】文士たちが集った名店の歴史を味わえる喫茶店で味わう香り高いカレーとは? / 東京都武蔵野市吉祥寺の「茶房 武蔵野文庫」

かつて明治時代の日本において、多くの知識人や文化人が集まっていた場所、それが「喫茶店」。

そんな時代の流れを脈々と受け継いで今にその香りを届けてくれているのが「純喫茶」というジャンルのカフェ。

実は「喫茶店」にはかつて「特殊喫茶店」と呼ばれる、現在のクラブやキャバレーのようなものがあり、それと区別するために「純喫茶」と呼ばれるようになったという歴史があり、昭和の時代には非常に多く存在した純喫茶は残念ながら現在は少なくなってきている。

しかしながら味わい深い純喫茶で過ごす時間は懐かしさや愛しさに溢れており、時間を味わうためには最適な場所。今回はそんな時の移ろいを、文士たちが集った名店の歴史とともに味わえるお店をご紹介したい。

お店の名前は「茶房 武蔵野文庫」。

・昭和60年(1985年)創業の喫茶店、それが「茶房 武蔵野文庫」
こちらのお店、昭和60年(1985年)創業の喫茶店。

昭和60年(1985年)といえば、男女雇用機会均等法が成立し、ファミコン用ソフト「スーパーマリオブラザーズ」が大ヒットを飛ばしていた、まさに日本がバブル絶頂を迎えていた時代。そして後にバブル崩壊の引き金となったプラザ合意が行われた年でもあった。

この年に生まれた「茶房 武蔵野文庫」は、今なお多くの人々に癒しの時間を提供し続けているのだ。

実はこちらのお店、かつて戦後に早稲田大学の近くに開放されていた学生サロンのような場所が起源となった「早稲田文庫」という喫茶店が源流なのだと言う。

当時の「早稲田文庫」のスタッフである「茶房 武蔵野文庫」のオーナーが「早稲田文庫」から引き継いだ数々の書物などがこちらのお店には残されており、今なお多くの人々にかつての雰囲気を提供し続けている。

・絶品のカレーと味わっておきたい茶房サンド
こちらのお店、お店のドアを開けて入ると、かぐわしいカレーの香りとコーヒーの香りが優しく包んでくれる。

どのメニューも素晴らしいのだが、カレーは必食のメニューだ。

カレーセットには、カレーのほかに飲み物、サラダが提供されている。

カレーが提供されのなら、まずは香りから味わってみてほしい。非常に美味しい香りが食欲を増幅してくれる。

一口味わえば、スパイスの香りが口いっぱいに広がり、濃厚なうまみとスパイスの軽やかな味わいを堪能することができる。

大ぶりのジャガイモやほろほろと解けていく鶏肉はそれだけでも非常に美味だが、ライスと一緒に味わっても美味しい上に、

添えられたらっきょや紅生姜、高菜などと一緒に味わっても非常に美味しい。

カレーだけでも十分ボリュームがあり満足できるのだが、もしお腹に余裕があるのであれば、メニューの中から「茶房サンド」をオススメしたい。

スパイスで味付けされたカレー味のツナとレタス、そしてハムがはさんである茶房サンドは、レタスのサクサクとした食感とハムとカレー味のツナとの味わいが非常に楽しい逸品。

どこかにありそうで、どこにもない、カレー味があとをひく、そんな味わいを食感と共に味わえる、まさに至福の時間がそこにはあるのだ。

かつて戦後に早稲田大学の近くに開放されていた学生サロンのような雰囲気を、本当にそのまま丸ごと味わえるお店「茶房 武蔵野文庫」。

もし吉祥寺を訪れることがあるのであれば、こちらのお店の扉を開けて、ゆっくりとした時間を味わってみてはいかがだろうか?

きっとそこには、他のどこにも存在しない、まるで宝物のような空間が存在しているに違いないのだ。

<お店の情報>
お店 茶房 武蔵野文庫(さぼう むさしのぶんこ)
住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-13-4
営業時間
火曜日~土曜日・日曜日・祝日 10:00 から 21:00
定休日 月曜日