【世界で最も素敵な瞬間】世界のトラムベスト10入り!アムステルダムを走るトラム2に乗って、夜景を楽しもう!

ヨーロッパの晩秋。夕方の早い時間から日が暮れ始めるこの季節。

この時期、ヨーロッパの街の風景を楽しむことが好きな方にとっては、気軽に歩き回ることができる日中時間が少なく、少々物足りなく感じるかもしれません。

一方で、寒くて澄んだ空気の中、少しずつクリスマスのイルミネーションが始まり、日没後の街は、普段とは違った格別な美しさを醸し出します。

この今の季節ならではの光景を楽しみたいものの、日が暮れた後の暗い中を歩くのは、少し不安という方にお勧めなのが、トラム(路面電車)で行く夜の「お散歩」です。

ヨーロッパの大きな町の多くで、トラムは今も重要な市民の交通手段として重宝されています。トラムが、美しい中世の建造物が立ち並ぶ狭い石畳の道路を縫うようにして走る様子は、1つの名物風景でもあります。

またトラムは道路上を走るため、乗っていると、街の風景や人々の様子をとても近い位置で見ることができます。見どころとなる観光スポット近くを走ることも多く、旅行者にとっても絶好の乗り物です。

こうして、日が暮れた夜、ライトアップされた綺麗な町の光景を、間近に楽しむことができるトラム。そこで今回、世界で有名な雑誌『ナショナル・ジオグラフィック』が選んだ「世界で最も美しいトラムとその風景」トップ10となった、アムステルダムのトラムライン2に乗ってみました。

このアムステルダムのトラムライン2は、1903年に運航が始まりました。時を経て多少停車位置は変わりつつも、アムステルダム中央駅を始発として、アムステルダム南部へと走り抜けています。

始発地から終着地まで走ると、約40分ほど。ただ、旅行者の方にとっては、これからご紹介する区間を、乗り降りしながら楽しむのがお勧めです。

まずトラムは、東京駅の駅舎のモデルになったとも言われる、アムステルダム中央駅の駅舎前のトラム乗り場を出発し、アムステルダムのダム駅に向かいます。

このダム駅で少し降りて歩いたところに、かの有名なフランスのナポレオンによるオランダ統治時代に、王の住居となった「ダムの上の王宮(Paleis op de Dam)」があります。ここでナポレオン一族がこよなく愛した「王宮」のライトアップ光景を楽しむこともできます。

トラムに再度乗車すると、古く美しい建造物が立ち並ぶ道を走り、アムステルダムの運河の1つへと進みます。

この運河沿いには、フランシスコ・ザビエルにささげられたとされる美しいローマカトリック教会がそびえたち、ライトアップされている様子が楽しめます。

トラムはさらに進み、沢山のショップやカフェが立ち並ぶライツェ通りに入ります。ここでのトラムの楽しみは、狭い路地を狭い間隔ですれ違うトラムと、その間を歩き回る人々の様子です。

少しトラムから降りて歩道を歩いてみると、トラムと人々との間隔もとても近く、トラムが人々と同じ目線の高さで走っており、少し不思議な感覚になります。

さて、またトラムに戻りましょう。トラムはさらに進み、いくつかの運河を渡す橋を越えて、走り抜け、バーやレストラン、劇場が立ち並ぶちょっとした繁華街ライツェ広場に到着します。

この広場を出て、運河沿いを少し走り、さらに進んだところで、世界でも有名なアムステルダム王立美術館、ファン・ゴッホ美術館などが立ち並ぶ美術館エリアである「王立美術館駅」に到着します。

この駅で降りて、ミュージアム広場まで歩いていきます。美しくライトアップされた王立美術館、有名な「I amsterdam」のロゴ、そしてその前を細く伸びる池が見渡せる場所に行ってみましょう。

池にはライトアップされたロゴと美術館の建物が映し出され、思わずしばらく息を呑むほどの美しさです。

そして反対側を振り返ってみると、もう1つ美しくライトアップされた建物が目の前に現れます。この建物は、127年前にこけら落としされ、世界でも有数の管弦楽団ロイヤル・コンセルトヘボウが拠点とする、「コンセルトヘボウ」(コンサートホール)です。

こうして、乗車時間にして正味15分ほどの距離の中で、アムステルダムを代表する美しい夜景風景を楽しめるアムステルダムのトラムライン2。

なお、7.5ユーロの1日乗り放題の乗車券を使えば、日中の観光中を含めて、何度も乗り降りすることができ、とてもお得です。

ぜひこの晩秋や冬、トライしてみてはいかがでしょうか?

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