コルクの形をした美術館のような町、木組みの家々が並ぶフランスの古都・トロワ

フランス北東部・シャンパーニュ地方。パリから日帰りも可能なこの地域に、木組みの建物が並ぶ美術館のような町があります。

それが、古くから北ヨーロッパと地中海沿岸を結ぶ交通の要所であったトロワ。シャンパーニュ地方が伯爵領だった中世の時代に、中心都市として栄えた古都です。

現在は人口およそ6万人ののんびりとした地方都市ですが、かつては各地からさまざまな商品が集まり、大規模な市が立っていたといいます。

シャンパーニュ地方は、言わずと知れたシャンパンの産地。面白いことに、トロワの町はシャンパンのコルクの形をしています。

シャンパンコルクの下の部分にあたるトロワ駅から、上のほうにある大聖堂まで歩いても20分ほど。こぢんまりとした町に、数々の歴史的建造物がぎっしりと詰まっているのです。

小さな町ながら、トロワの中心部には10もの教会が建っています。町を歩けば、トロワの教会がいずれも町の規模からは想像できないほど大きく立派であることに驚くでしょう。

トロワで必見の教会のひとつが、サン・ピエール・サン・ポール大聖堂。13~17世紀にかけて建設されたゴシック様式の大聖堂で、奥行き114メートル、幅50メートルという規模は圧倒的。

内部では、総面積1500平方メートルにおよぶ13~14世紀のステンドグラスが幻想的な雰囲気を造り上げています。

12世紀に建てられた、トロワ最古の教会であるサント・マドレーヌ教会も見逃せません。内陣の手前にある「ジュベ」と呼ばれる仕切りは非常に珍しいもので、レースのような彫刻の美しさは圧巻。

宝石のような色とりどりのステンドグラスも見事で、外とはまさに別世界の荘厳な空間です。

何をするでもなく、木組みの建物を眺めながら歩くだけでも楽しいのがトロワの町。ここでは、スーパーマーケットをはじめ、現代の生活に欠かせないお店も古い木組みの建物をうまく活用しています。

歪んでいる建物や細やかな彫刻が施された建物・・・木組みの家々のさまざまな表情を楽しみましょう。

中心部のサン・ジャン地区は、当時のままに修復された16世紀の木組みの家々が集中する趣たっぷりのエリア。

両側に細い縦ストライプの木組みの建物が並ぶ路地を歩いていると、なんだか別次元の世界に入り込んだような気分になります。

トロワで一番狭い路地として有名なのが「猫小路(Ruelle des Chats)」。屋根から屋根へと、猫が渡って歩けるほど家々が密着していることからその名が付いたのだとか。

可愛らしくて懐かしい路地はなんとも絵になります。

トロワはシャンパーニュ地方きっての美食の町ともいわれ、狭い範囲にシュラン掲載レストランや、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で評価の高いレストランがいくつも並んでいます。

狭い路地にひっそりとたたずむお店は雰囲気も抜群。町歩きを楽しんだら、美味しい料理に舌鼓を打ってみては。

パリから鉄道でおよそ1時間半と日帰りも可能ながら、まったく異なる表情を見せてくれるトロワ。この穴場的な古都で、フランスの新たな魅力を発見してみませんか。

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