まるでコートダジュールの大展望台、南仏にあるエズ村に行ってみよう!

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世界でも有数の高級リゾート地の1つ、南仏のコートダジュール。

温暖な気候で美しい海岸線を望むこの地は、18世紀末にイギリスの上流階級の人たちの冬の保養地として開発されて以来、イギリス、ロシアなどヨーロッパの王族・貴族たちに愛されてきた場所です。

20世紀に入ると、パブロ・ピカソやアンリ・マティスなどの芸術家や、アメリカ・ヨーロッパの資産家たちも好んで訪れるようになりました。

ちなみに、コートダジュールがどこからどこまでを含むか厳格な定義はないようですが、誰もが知る町としてはニースやカンヌなどがあります。

さてこの地域ですが、実は紀元前から人が住んでいたと考えられています。その1つの証として、ニースでは紀元前3500-1500年の青銅器時代の焚火の跡が見つかっています。

またイタリア・ギリシャに近く、エジプト・シリア・トルコなども面する地中海沿いという地理的な優位性から、古くから交通の要所としても重要な場所であり、しばしば強豪国から侵略の標的となってきました。

こうした背景からか、海岸沿いにある幾つかの小高い丘や岩山には、幾つか要塞や城壁を構えた小さな村ができるようになりました。

見晴の良い高い場所であれば、敵の侵略も見え、防御もしやすいという狙いがあったようです。

そして、そのような歴史背景から形作られた村の1つが、今回ご紹介する標高427メートルの石山の上にある「エズ」です。

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エズは、何と紀元前2000年には人が住んでいた形跡が残っている非常に長い歴史を持つ村です。

古くはローマ人やムーア人に占拠されたり、14世紀にはイタリアのサヴォイア家の管轄となり、要塞が作られました。

またその後は、トルコ・スペインの列強国からも攻撃を受けています。そして最終的には、1860年にフランスの一部となりました。

石山の上にあるエズの村までは、ナポレオンの命令により建設されたとされるものを含め、石山の麓から崖道が伸びています。

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細くクネクネした石畳の崖道を歩き始めると、中世の趣を残した石造りの家々が道沿いに続いています。

人が住んでいる家もあれば、お土産・雑貨屋さんであったり、レストランとなっているところも。

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そして頂上近辺には、見どころが幾つかあります。この村で現存する最古の建物であるチャペルや、18世紀に建設された教会。また頂上にある植物園。ここでのハイライトは、実は植物の鑑賞というよりは・・・、目の前に広がる地中海と海岸線!

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歩き終えた後には、村にあるレストラン・カフェにて、ランチやお茶をしながら、ゆっくりと海を眺めるのも贅沢なひと時となること間違いなし。

この村に魅せられた数々の著名人も多く(何とウォルト・ディズニーもその一人!)、ハネムーンで来る人たちが結構いるというのもうなずける、地中海の光景を独占できるロマンチックな村です。

ニース、カンヌやモナコ方面を旅する際には、ぜひエズの村にもお立ち寄りを!

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