アムステルダムの大人気店で本場フリッツを食べてみよう!
|最近、日本でも注目を浴び始めている「フリッツ(Friet)」。
「フリッツ」を単純に日本語に訳すと「ポテトフライ」または「フレンチフライ」。でもこれであれば日本でも誰もが知る食べ物であり、ファーストフード店でも売られています。何か違うのでしょうか?
まず「フリッツ」の起源ですが、ベルギーとフランスの両国が「発祥の地」を主張し合い、決着がついていません。ただ少なくとも欧州で17から18世紀にはジャガイモを揚げて食べるというスタイルが編み出されたことは確かのようです。
19世紀半ばには、ベルギーでは市民のスナックとして親しまれるようになりました。また20世紀初めに、ベルギー人の移民によりオランダでも広がりを見せたと言われています。
こうして、ベルギー・オランダで「フリッツ文化」が確立していき、1950年代には、ベルギーで最大時2万軒ものフリッツショップが展開されていたそうです。
そして現在。「フリッツ」は、駅や町中にあるフリッツ専門店・スナック売店で気軽に買うことができます。
小腹が空いた時のおやつとして、町の中で食べている人たちを多く見かけます。またレストランでも、大体のメインコースは「フリッツ・サラダ付き」となっています。こちらは小ぶりな深皿にこんもりと盛られて上品な形で運ばれてきます。
「フリッツ」の美味しさは、やはり揚げたポテトの良さ次第で決まります。
フリッツに適した新鮮で良質なジャガイモを使い、新鮮な脂(お勧めは牛脂!)で揚げることが秘訣です。こうした素材を使い、見た目が美しく、外側はカリカリ、内側はソフトでお芋の香りがフワッと出るものが、「美味しいフリッツ」と称されるのです。
また、フリッツを引き立てるフリッツ用のソースを忘れてはなりません。様々な種類が出ていますが、一番の人気はマヨネーズ。何とスーパーマーケットにて、家庭用のフリッツ専用マヨネーズが販売されているほどです。
そしてオランダで、マヨネーズに次いで高い人気を誇るのがピーナッツバターを主原料にしたほんのり甘味のあるソテーソース。更に、欲張りな人向けには、人気の両ソースをかけて、玉ねぎの微塵切りを振りかける「オーロッホ(Oorlog=戦争)」なるものもあります。
こうした「フリッツ文化」の根付くオランダでは、日刊紙Algemeen Dagblad社が、毎年オランダのフリッツ店ランキングを発表しています。そこで今回、本場フリッツを体験するために、2013年にオランダ全国で3位、アムステルダムでトップに選ばれた「Vleminckx」を訪ねてみました。
1957年に始まった当店、列に並ぶことを好まないオランダ人でさえ、「ここのフリッツは本当に美味しいよね」とニコニコ話しながら並ぶフリッツ専門店です。
フリッツは、ベルギースタイル、かつお店特製のホームメイドで、注文を受けると同時に揚げており、とても新鮮で香ばしさが漂います。
また、28種類ものフリッツソースが展開されています。
適度に太く、綺麗な黄金色のポテトを1本つまんで、かじってみると、周りはカリッとしながら、中はどこかふんわりと柔らかい、驚くべきコンビネーション。
そして定番のマヨネーズソースは、どっしりとしながらも、ポテトの風味を引き立てる嫌みのない味。長い間アムステルダムっ子を満足させ続けている実力を感じさせます。
ベルギー・オランダを旅する時には、ぜひ「フリッツ」をお試しあれ!
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