オープンミュージアムで300年前のオランダにタイムトリップ!

『ミュージアム大国オランダ』

このように聞くと、少し驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。でも実は九州ほどの面積のオランダに、何と400を超える「ミュージアム」があります。

さらに「ミュージアム」好きのオランダ人。1年間ミュージアムに出入り自由な「ミュージアムカード」なるものがあり、オランダの全人口約6%にあたる約100万人がこのカードを毎年購入しているほどです。

オランダでの「ミュージアム」の起源を辿ると、ナポレオンによるオランダ統治時代前後に、フランスから「ミュージアム」の概念が持ち込まれたとのこと。

例えば、2013年に10年に渡るリニューアルの末、再オープンとなった逸話が映画にもなったアムステルダム国立美術館。

ナポレオンの弟の命により、デン・ハーグ市にあったナショナル・ギャラリーがアムステルダムに移転し、アムステルダム市にあったレンブラントの『夜警』などのコレクションと共に、王宮の最上階で展示されました。これが国立美術館の原型とされています。

レンブラント、フェルメール、ゴッホなど、世界に誇る名だたる画家を排出しているオランダ。今では、こうした画家たちの作品や生涯について扱った専門「ミュージアム」があります。

また美術以外にも、歴史、自然、技術、民俗、食品、海洋など、多種多様な分野の素晴らしい「ミュージアム」が展開されています。

この中で1つ、オランダで大変評判が高い実地・体験型の「ミュージアム」があります。これが、オランダ中東部の町アーネムにある、オランダの民俗学をテーマにした「オープンミュージアム(野外博物館)」です。

20世紀初め、オランダにて工業化・都市化が進む中、オランダの各地域の違いや古き良き伝統を伝承するため、1912年にこのミュージアムが開設されました。そして、長きにわたり、民俗伝承を叶える良いお手本であり続けたことから、2005年には「ヨーロッパミュージアム大賞」を受賞しています。

では実際に、このミュージアムには、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。

まず圧巻なのが、約300年近く前から現代まで、オランダ全国から古き良き家屋、農場、庭園、商店、病院、風車などの建物、その他のオブジェクトまで、100点余りがそのままの形でこのミュージアムに移転・保存されているところです。

それぞれの建物には、当時使われていた家具、食器類、道具、様々なオブジェクトが配置されており、実際に建物の中に入って当時のオランダ人の暮らしぶりを垣間見ることができます。

また、その当時の洋服を着て、様々なパフォーマンスを実演していたり、ガイドをしてくれる人たちがおり、それぞれの時代の一コマを再現してくれています。

例えば、昔の家の中でオランダの伝統料理を作っていたり、農場にて手綱作りをしていたり。そして運がよければ、実際にやってみたり、お手伝いをさせてもらうこともできます。

また敷地内にはオランダ各地から集められた古いトラムが走っており、ミュージアム内を楽しく効率よくまわることもできます。

沢山の建物を巡って、少し疲れた時には、カフェやレストランで一休みしたり、オランダのスナックやパンを買ってピクニックをするのも良いでしょう。

大人も子供も、1日たっぷり楽しめるこの「オープンミュージアム」。この施設が全面公開されている春・秋の天気の良い日に、大昔のオランダへのタイムトリップを楽しんでみてはいかがでしょうか?

Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア