ANA国際線のファーストクラスで採用されたお酒「山丹正宗(やまたんまさむね)」を心ゆくまで味わってみた
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愛媛県今治市というとどういうイメージがあるでしょうか?タオルや造船、そして鉄板で焼く今治焼き鳥など、様々なイメージがあるかもしれません。
そんな愛媛県今治市が誇る1つのお酒の蔵元が今治駅からほど近い場所にあります。それが今回ご紹介するお酒「山丹正宗(やまたんまさむね)」を醸造している八木酒造部。
さかのぼること、江戸時代後期。幕末の足音が聞こえ始めた1831年(天保2年)に「山丹正宗(やまたんまさむね)」は生まれたそうです。
名前の由来は、創始者の出身地と酒のキレの良さを名刀正宗にあやかったことから「山丹正宗(やまたんまさむね)」とされており、文字通りキレのあるお酒に仕上がっているのが特徴です。
そんな絶品のお酒を楽しめるお酒の会が開催されるとの噂を聞きつけ、GOTRIP!編集部のさけとんぼ( https://gotrip.jp/author/sake-tombo/ )が実際にお酒の会に参加してきましたので、レポートします。
・歴史と文化が育んだ絶妙なバランス
愛媛県と今治と言えば、目の前に広がるのは日本屈指の漁場の一つ瀬戸内海。瀬戸内の新鮮なタイやヒラメ、イワシやアジなどを少し甘めの醤油で食べる文化が時代とともに受け継がれてきました。少し甘い味付けの料理に合わせるために、酒も少し甘口の方が合うため愛媛のお酒は日本酒度が0〜-1程度のお酒が多いそうです。ただ、こちらの「山丹正宗(やまたんまさむね)」、やはり正宗の銘をあしらったお酒であるためキレも重視しているそうで、愛媛のお酒の定番である「食事にあう優しくて穏やかな酒」を踏襲しながらもキレの良いお酒に仕上がっているという、バランスの良いお酒になっています。
・愛媛県産への強いこだわり
こちらの蔵元さん、愛媛県今治市で創業して200年にもなろうかという老舗中の老舗。そのため酒造りに用いる米はなるべく地元愛媛県産を使用する方針を取っているそうです。松山三井(まつやまみい)、しずく媛、フクヒカリの3種類をメインで使用されているそうです。フクヒカリという米は、愛媛の中でも特に山奥にある久万高原町(くまこうげんちょう)という村で、ごく少量のみこだわった製法で栽培されている品種。そのお米を全量買い取り、仕込まれた山丹正宗(やまたんまさむね)は、愛媛のお酒の底力を感じる事ができる、うまみたっぷりのお酒に仕上がっています。
・ライフスタイルへの挑戦
ともすれば古いものや歴史のあるものというと、少し変化した方がいいのではないか?チャレンジしたほうがいいのではないか?という部分については歴史という概念が邪魔をする可能性もあると思います。しかしながらこちらの蔵元は常にチャレンジを続けています。例えば「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」への挑戦。通常日本酒はおちょこやぐい飲みなどの厚手の器で飲むのが一般的ですが、昨今ではワイングラスのようなより香りを楽しみながら、和食以外の味わいにも合わせるというお店も多いそうです。新しいライフスタイルに合わせたお酒の提案も行う、老舗でありながらチャレンジングな姿勢は、「山丹正宗(やまたんまさむね)」という名前にさらに磨きをかけています。
・数々の受賞歴
そんな蔵元独自の歴史と郷土の文化が生んだ「山丹正宗(やまたんまさむね)」。全国の吞兵衛さんたちが見逃す訳もなく、今年の全国新酒鑑評会で、5年連続合計18回目の金賞を受賞しています。また、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」では3年連続で最高金賞を受賞するほどのお酒となっています。日頃のたゆまぬ1つ1つの積み重ねが結果となって、このような受賞歴をつづけているということがよくわかります。またその結果、ANA国際線のファーストクラスで採用され、世界の空でこの極上のお酒は様々なセレブリティを魅了しています。
いかがでしたか?日本には1700を超える酒蔵があるそうですが、生きている間にそのすべてのお酒を飲むということは少し難しい事かもしれません。旅先で、どこかで、ちらっと目にした事がある、聞いたことがある、それはもしかしたら、その日本酒との出会いのサインかもしれません。
もし機会があったら、歴史と文化がおりなす絶妙なバランスの「山丹正宗(やまたんまさむね)」を試してみてはいかがでしょうか?きっとそこには裏切らない名刀正宗のようなキレ味と、優しく奥行きのある地元の米の旨味をたっぷりと感じられる、そんな蔵元の愛情を感じられる味わいが待っている事でしょう。
お酒:「山丹正宗(やまたんまさむね)」
蔵元:八木酒造部 http://www.yamatanmasamune.jp
取材協力:銀座おかべ
場所:東京都中央区銀座8-7-10 第1常盤ビル 3F
営業時間:月~木:18:00~翌1:00 / 金:18:00~翌3:00
お店のHP:http://www.ginza-okabe.com/
▼新鮮な「うに」と合わせるのは「山丹正宗(やまたんまさむね)」のしずく媛。うにの濃厚なうまみとフレッシュなリンゴのような香りと米の柔らかい旨味が印象的なこちらのお酒が食欲をさらに増幅させていきます。
▼愛媛のつくね芋とマグロに合わせるのは「山丹正宗(やまたんまさむね)」の純米大吟醸・松山三井(まつやまみい)。妖艶なダシの香りをまとったつくね芋とマグロに、フルーティーでキレのある純米大吟醸がたまりません。
▼香ばしい藁焼きのカツオ、たっぷりとした甘みのある中トロ、そして昆布締めされた甘エビに合わせるのは、「山丹正宗(やまたんまさむね)」の短稈渡船(たんかんわたりぶね)のぬる燗。雄町の系譜をしっかりと感じるうまみたっぷりのぬる燗と、それぞれに個性の強い3種の刺身は、口の中で旨味のうねりを巻き起こしていきます。
▼じっくりと「山丹正宗(やまたんまさむね)」で蒸し煮にされたアワビと合わせるのは、「山丹正宗(やまたんまさむね)」自慢の金賞受賞酒。「山田錦」を35%まで磨きぬいて造られた大吟醸は、上品で華やかな香りと全く雑味のない澄んだ味わい。上品でありながらアワビの香りにも負けない芯の強い味わいはまるで酒の貴婦人のようです。
▼包丁を使わず手でさばいた水茄子と合わせるのは、「山丹正宗(やまたんまさむね)」の生原酒。少し酸味の強い仕上がりのこちらのお酒に、梨のような弾ける水茄子と添えられたエビ味噌が非常にマッチします。
▼香ばしく焼いた宇和島のじゃこ天と合わせるのは、「山丹正宗(やまたんまさむね)」のフクヒカリ。こだわりの生産地と生産方法で手塩にかけて育てられたお米フクヒカリのしっかりとした味わいは、魚の旨味たっぷりのじゃこ天をしっかりと受け止めてくれます。
▼稚鮎(ちあゆ)の薫製とたこの桜煮に合わせるのは、ANAのファーストクラスでも採用された「山丹正宗(やまたんまさむね)」の愛媛県産米「松山三井」で仕込んだ吟醸酒。上品な吟醸香とすっきり淡麗な飲み口は、引き出されたそれぞれの素材のうまみを、更なる味わいへと昇華させていきます。
▼脂のたっぷりとのったイワシに合わせるのは、「山丹正宗(やまたんまさむね)」無濾過(むろか)生原酒。脂のうまみたっぷりのイワシを爽やかに受け入れながら、生原酒の奥行きのある旨味が広がっていきます。
▼お寿司に合わせるのは、「山丹正宗(やまたんまさむね)」の松山三井(まつやまみい)。締めにふさわしいキレのよい山丹正宗と寿司との相性は抜群。