チベット伝統の美と技術に触れるもうひとつのノルブリンカ


ノルブリンカとは、チベットの首都ラサにあるダライ・ラマ法王の離宮のこと。ダライ・ラマ7世によって1755年に建設され、1950年代に中華人民共和国に接収されるまで夏期の離宮として機能していました。

現在では敷地全体が公園になっており、ラサの人々の憩いの場になっています。

そんなチベットの古都ラサの人々にとって重要なノルブリンカ、その由緒正しき名前を継承したチベット芸術や文化の研究所が北インドのダラムサラにあります。

それが1990年に設立されたノルブリンカ芸術文化研究所です

チベットの伝統的な建築と千手観音のプロポーションを元に造られた緑豊かな美しい庭園はどこか日本庭園にも似ている気がします。

ノルブリンカ芸術研究所の設計を手がけたのは、なんと日本人の建築家です。

建築家の名前は中原一博氏。ダラムサラ居住歴30年の中原氏は、ノルブリンカ、TCV講堂などの設計者であると同時に、日本の報道がダラムサラ取材を行う際のコーディネーターとしても知られています。

ちなみに現在日本では、中原氏が案内役として出演している映画「ルンタ」が公開中です。

建物の中ではここで技術を習得した約300人ものチベットの人々が黙々と制作に取り組んでいる姿を見学できます。

こちらはウッド・カービング(木工)の作業場。木の表面を彫り込み装飾を施し、お香立てなどの小さな木製雑貨を作ります。

主に女性たちが作業していた機(はた)織り。

彫金の部屋では仏教モチーフの様々な像を制作していました。

チベットの芸術といえばやはりこれです。タンカ・ペインティング。


チベット仏教の神々やマンダラを緻密に描き出す仏教画。 非常に細い筆で繊細に描きこんでいきます。

ここで制作された作品は敷地内にあるショップでも購入できます。並んでいる商品は観光地の土産物屋とは一線を画す洗練されたデザインのものばかりです。

また、こちらのノルブリンカ芸術文化研究所 では外国人もタンカ・ペインティングやウッド・カービングなどの技術を学ぶことができます。

費用は半日1500Rs(約2850円)及び全日2000Rs(約3800円)で、期間は個人のスケジュールに応じて自由に決められ、長期受講者には割引もあります。希望者は前日までに予約が必要です。

ノルブリンカ芸術文化研究所 までは観光客が集まるマクロード・ガンジというエリアからタクシーで30分ほど、300Rs前後(約570円)で到着します。

生きたチベット芸術や文化に触れられる非常に貴重な場所です。

Norbulingka Institute(ノルブリンカ芸術文化研究所 )
住所:Sidhpur, Dharamsala
営業:9:00〜17:30
休み:無し
ウェブ:www.norbulingka.org

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