約100年の歴史を持つレトロな鉄道スポット!台湾・彰化の歴史的観光スポット「彰化扇形庫」に行ってみた。


世界ではじめて日本の新幹線技術を輸入してくれた国、台湾。

新幹線の技術をもとに作られた「台湾高速鉄道」は、2007年に無事開業し、日本が新幹線技術の輸出をするキッカケとなった事例になりました。

台湾の鉄道と日本との繋がりは現在の新幹線だけに留まりません。

それは今から100年以上前の日本統治時代にまで遡ります。

20世紀初頭、日本政府によって急速にインフラの整備が進められていた台湾では、交通や物流に欠かせない鉄道建設は重要な課題の1つで、国策として台湾における鉄道建設が推進されていました。

その結果、台湾の鉄道は大きく発展を遂げ、現在の台湾鉄道にその歴史は引き継がれています。

実はそんな歴史を色濃く感じる事ができる場所が、台湾にはたくさん存在しています。

今回は、日本統治時代の歴史的な産業遺産の1つで、世界の鉄道好きにも大人気の場所「彰化扇形庫」を紹介します。

・素朴な地方都市、彰化(しょうか)
彰化の人気の観光スポット「彰化扇形庫」。彰化は台中から電車で約15分程度の場所にあり、台中にほど近い地方都市です。発展著しい台中に比べ、彰化は昔懐かしい風情が残る街並みで、素朴な雰囲気が観光客からも人気のある地域です。

彰化といえば、あの千と千尋の神隠しでもモチーフになったプニプニの食感が面白いグルメ「バーワン」がある場所としても有名ですので、もしこの地を訪れるのであれば「バーワン」も味わってみてください。

・歴史的な鉄道スポット
日本統治時代の1922年に建設された「彰化扇形庫」は、100年近い歴史を持つ建造物です。台湾には彰化以外にも4ヶ所に扇形庫がありましたが、彰化以外のものは全て取り壊されてしまい、今では彰化が台湾で唯一現存する扇形庫となっています。

ここ彰化の扇形庫も老朽化が進み、解体を検討された時もあったそうですが、地元の人々や鉄道マニアの熱心な保存運動が功を奏し、現在のような観光スポットとして残されることが決まったそうです。

2003年にはその歴史的価値が認められて県定古跡に指定されるなど、現役として使われていながらも古跡に認定された珍しい観光スポットとして、古跡マニアや鉄道マニアから注目を集めています。

・鉄道マニア必見の観光地
「彰化扇形庫」には、ディーゼル車や蒸気機関車(SL)など様々な車両が保存されてあり、その迫力を目の前で感じることができます。

通常の鉄道博物館などの展示と異なる点は、多くの車両が現役で活躍しているということ。そのため、車両を修理点検する様子も間近で見学することができます。

そんな彰化扇形庫における最大の目玉スポットといえば、中央にある転車台。この転車台を使って電車が扇型の車庫へと戻っていく様子は、扇形庫だから見れる光景で、観光客のボルテージも最高潮になり、全員の注目が転車台へと注がれます。

・人気のオブジェ
「彰化扇形庫」を訪れた際に、車両以外で見ておきたいものが「総成機器人」というロボット型オブジェです。退職された職員さんがディーゼル機関車の部品を使って作ったというオブジェは、非常に手の凝った作品で、「彰化扇形庫」のシンボルにもなっています。

一見可愛らしい見た目ですが、高さは2.5メートルあるため、近くで見るとかなりの迫力。この珍しいオブジェは観光客の間でも注目を集めており、子供を中心に大人気で、オブジェの前は人気の記念撮影スポットとなっています。

日本統治時代に大きく発展を遂げた台湾の鉄道。その当時の姿をそのままに残す「彰化扇形庫」は、台湾と日本の歴史が色濃く残る歴史的観光スポットです。

台湾を訪れた際は、「彰化扇形庫」で日本と台湾の鉄道の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

約一世紀にわたり台湾を支えてきた鉄道の魅力を感じることができるはずです。

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名前   彰化扇形車庫
住所   彰化縣彰化市彰美路一段1號
営業時間 【火〜金】13:00~16:00
【土・日】10:00~16:00
定休日  月曜日

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