台湾のノスタルジックな街「九份」の茶芸館でタイムスリップ気分を味わおう
|台北からバスでおよそ一時間半、山あいに位置するノスタルジックな街が九份(きゅうふん)です。
映画「非情城市」の舞台となったほか、「千と千尋の神隠し」に登場する建物のモデルになったのではとの噂もあり、多くの人々が心のふるさとを求めてこの場所を訪れます。
そんな九份にはお茶がよく似合います。
九份の美しい景色を眺めながら、そしてゆったりと流れる時間を感じながらのティータイムは至福のひととき。
今でこそ小さな九份の街にたくさんの茶芸館が並びますが、さきがけとなったのが築百年の古屋敷を改装して1991年にオープンした「九份茶坊」です。
九份茶坊の建物は古き良きものを最大限に生かしてつくられたアート空間。
店内に一歩足を踏み入れると豊富な種類の台湾茶や茶器の数々が目に飛びこんできます。
お茶の香りに、やかんから出る蒸気……
一瞬で「九份茶坊ワールド」に引き込まれタイムスリップしたかのような気分になります。
地下には九份茶坊の陶芸工房でつくられたオリジナル茶器や茶道具の数々が並び、池では鯉が泳いでいます。
どうしようもないほど懐かしいのに、おしゃれでモダン。
この美的感性、バランス感覚には目をみはります。
客席は店内とテラス両方にあり、席によって異なる雰囲気や景色が楽しめます。
こちらはテラスからの景色。
メニューには烏龍茶や東方美人茶といった台湾茶はもちろんのこと、台湾名物パイナップルケーキや烏龍茶チーズケーキなどのスイーツもあります。
九份茶坊のお茶は一杯、あるいは1ポットいくらという価格設定ではなく、茶葉を購入して店内で楽しんだ後、残った茶葉はお土産に持ち帰れるようになっています。
お茶を淹れるためのお湯は電気やガスではなく薪で沸かします。
薪を使ってオリジナルの陶器のやかんで沸かすお湯、なんとも風情がありますね。
お茶のセットが運ばれてくると、スタッフがお茶の淹れ方を教えてくれます。
九份は日本人観光客が多いため、日本語で説明してもらえますのでご安心を。
こちらは烏龍茶とパイナップルケーキ。
日本で「烏龍茶」というとペットボトル飲料の色の濃いお茶をイメージしますが、ここではまったく違います。
おどろくほどすっきりとしたピュアな口当たりで「これが烏龍茶なの!?」と感激してしまうはずです。
パイナップルケーキやチーズケーキなどのスイーツも、甘すぎず素材を生かした上品なお味でとっても美味。
茶器や茶道具にいたっても一つひとつが可愛らしく、あたたかみがあって愛着がわいてきます。
お茶の飲み方で面白いのは、一度のみならず、2回、3回、4回と繰り返し茶葉を楽しむことができること。
回数を重ねるだびにお湯を注いでからの待ち時間が長くなりますが、質の良いお茶は繰り返し飲んでも風味が損なわれないのだということが実感できます。
こうやって飲み方を教わりながら自分でお茶を淹れるのも新しい発見があり楽しいものです。
内装や景色といった環境、さらに味、サービスとどれをとってもクオリティの高い九份茶坊。
これほど素敵な演出をされると「お茶を飲む」という行為が忘れがたい特別な体験に変わります。
時間を忘れていつまでも滞在していたくなる居心地の良さに、きっと惚れ込んでしまうことでしょう。
名前 九份茶坊(きゅうふんさぼう)
住所 〒224台湾新北市 瑞芳区基山街142号
営業時間 9:30〜21:00
お店のHP https://www.jioufen-teahouse.com.tw/jp/jioufen-teahouse?id=58
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア