【世界の絶景】世界遺産の街・クラクフが誇る、ポーランドで最も美しい聖マリア教会が忘れられない

歴史的な街並みが世界遺産に登録されているポーランドの古都クラクフ。クラクフ旧市街の心臓部、中央広場にあるのが「ポーランドで最も美しい教会」ともいわれる聖マリア教会です。

1222年に建設されたゴシック様式の教会で、天を射貫くようにまっすぐ伸びる2本の尖塔が印象的。その昔モンゴル軍がクラクフを襲撃した際に、それにいち早く気づいたラッパ手が敵の襲来を告げるためこの塔からラッパを吹き鳴らしました。しかし、モンゴル兵が放った矢がラッパ手の喉を貫き、ラッパ手は亡くなってしまったのです。

それを悼んで、14世紀から現在にいたるまで一時間ごとに塔からラッパが吹き鳴らされています。「ヘイナウ・マリアツキ」と呼ばれるこのラッパの音は、今となってはクラクフを訪れる人々を中世の世界へといざなってくれる音色。古都クラクフを象徴する情緒あふれる音色なのです。

このようなエピソードからも、いかにこの教会がクラクフにとって重要な存在であるかがうかがえます。

しかしこの教会の神髄はその内装にあるといっても過言ではありません。内部に足を踏み入れた瞬間、その色彩に息を呑みます。

キリスト教の教会としては珍しいほどカラフルでどこかエキゾチックな色遣いと、それでいてピンと張りつめたような神聖な空気…この教会を訪れた誰もが「こんな教会見たことない!」と感嘆するはずです。

壁や天井一面を彩る文様や装飾の数々が、小宇宙を思わせる独自の美的空間をつくりあげています。その圧倒的な存在感に、しばし時間を忘れてただただこの空間に身を置いていたくなります。

聖マリア教会の内部で最大の見どころが、聖母マリアの生涯を表した高さ13メートルのヴィット・ストウオシ祭壇。


1477年から1489年にかけて彫刻家ファイト・シュトースの手によってつくられたもので、中世から残るものとしてはヨーロッパ最大を誇ります。

その大きさだけでなく、その美しさからも、「ヨーロッパ第一級の見事な祭壇飾り」との評価を受けていて、ポーランドの国宝にも指定されています。

200体以上の人物が彫り込まれているというその精緻な彫刻には目を見張るばかり。高い芸術性にキリスト教徒でなくても感動を覚えずにはいられません。

まばゆい光を放つステンドグラスや所せましと施された彫刻や絵画の数々が一体となり、一度見ると忘れられない鮮烈な印象を残します。

時を超えて見る者を魅了し続ける聖マリア教会は、まさにクラクフが誇る至宝といえるのではないでしょうか。

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