南ドイツ・ミュンヘン観光のハイライト、レジデンツは見た目以上にすごい!
|南ドイツ最大の都市ミュンヘンはいつも大勢の観光客でにぎわう観光都市。
そんなミュンヘン観光で絶対に外せないのが、ヴィッテルスバッハ王家の宮殿、レジデンツです。
現在でこそミュンヘンはドイツのバイエルン州の州都ですが、かつてはバイエルン王国の都として栄えてきました。その輝かしい歴史から、バイエルンの人々はいまだに「州」ではなく「自由共和国バイエルン」と誇り高く呼ぶこともあるほど。
旧バイエルン王国を治めたヴィッテルスバッハ王家の王宮であったレジデンツは、そんなバイエルンとミュンヘンの華やかな歴史を今に伝えています。
1918年にバイエルン王国最後の王、ルードヴィヒ3世が退位するまで、500年にわたって選帝侯や王の居城であったレジテンツ。14世紀後半に建設が始まって以来、拡張が繰り返され、居住空間や広間、教会、劇場、庭園といったさまざまな空間をもつ複雑な構造になっています。
現在はレジデンツ博物館として豪華な部屋の数々や王家の収蔵品が一般に公開されています。
レジデンツがあるのは旧市街のほぼ中心。外観はどちらかというと質実剛健でそれほど豪華なようには見えませんが、内部はうってかわって豪華絢爛。
さぁ、バイエルン王家の華やかな宮廷世界をのぞいてみましょう。レジデンツで見学できる数多くの部屋の中から、特に美しい空間を選りすぐってご紹介します。
レジデンツ博物館に足を踏み入れてまもなく目にするのが、長さ68メートルの大広間、アンティクヴァリウム。
この空間はレジデンツを象徴する存在で、レジデンツを紹介する際には必ずといっていいほどこの広間の写真が用いられます。
もともとは1568年から1571年にかけて、アルブレヒト5世のアンティークのコレクションを展示するためにつくられた広間で、次のヴィルヘルム5世の時代に豪華なセレモニーホールへと改装されました。
優美な天井のフレスコ画とおびただしい数の彫刻で彩られた空間は息を呑む美しさ。どこか幻想的な雰囲気さえ漂う独特の魅力が忘れがたい印象を残します。
続いて、堂々たるたたずまいが印象的なのは、その名も「皇帝の間」。
マクシミリアン1世の時代、1612年から1616年にかけてつくられたホールで、1673年から「皇帝の間」として知られています。
天井画や壁を飾るタペストリーは王政を象徴していて、「皇帝の間」の名にふさわしい、バイエルン王の権力を体現する壮大な空間です。
装飾礼拝堂に足を踏み入れれば、きっとそのきらびやかさに圧倒されるはず。
1607年に、マクシミリアン1世と妃のためにつくられた礼拝堂で、銀のレリーフが施された祭壇は当時のオリジナルです。
こぢんまりとした空間を埋め尽くすように施された精緻な装飾には目を見張るばかり。この小さな小宇宙には誰もが釘付けになってしまいます。
壁を覆う緑のシルクのダマスク織にちなんでその名がついた、緑のギャラリー。
1731年から1733年にかけてつくられた部屋で、宮廷の催し会場として使用されました。グリーンの明るく爽やかな雰囲気とゴールドの華やかさ、そして絵画の重厚さが生み出す絶妙なバランスの美しさに魅了されます。
レジデンツ博物館の最後を飾るのが、ヴィッテルスバッハ家の人々の肖像画が121枚も並んだ祖先画ギャラリー。
天井と壁一面を覆う黄金の装飾はまばゆいばかり。当時の王家の栄光と結束が肌で感じられるかのようです。
この他にも王族の私室や陶器のコレクションなど、見ごたえ抜群のレジデンツ。予想以上に広いので時間をとってゆったりと見学することをおすすめします。
王冠や金細工などの王家の宝物が展示されている宝物館も併設されており、こちらも見ごたえ十分。
ぜひ、ミュンヘン・レジテンツで王家の華麗なる空間を体感してみてください。
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