【世界の絶景】世界遺産ハルシュタット、その絶景と7000年の壮大な塩の歴史を訪ねて
|ヨーロッパ観光で人気の高いオーストリア。
ウィーンやザルツブルグは特に有名ですが、そのオーストリアを訪れたならぜひ、リストに加えてもらいたいのが世界遺産ハルシュタット。
ザルツブルグから電車で2時間半ほどの小さな町で、車窓から見える山々や湖の美しさは、誰もがうっとりと見とれてしまいます。
・オーストリアの世界遺産「ハルシュタット」とは?
世界遺産ハルシュタットは、風光明媚なザルツカンマーグート地方の中でも、特に美しいと言われる岩塩採掘の町。
「世界の湖岸で最も美しい街」ともいわれ、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の撮影にも使われたほどです。
しかし、ハルシュタットのすばらしさはその景色だけではありません。
その1つが2002年、この地で古くから使われている塩坑から発見された世界最古の階段。
この地の人々は昔から岩塩を洞窟から掘り出して生計を立てていたのではないかと推測されています。
その時に利用されていたとされる木製の階段が2002年に見つかったのです。
靴や衣服の切れ端、塩を運び出すのに使われていた道具も見つかっており、人類の壮大な歴史と長い間受け継がれてきた文化に触れられる場所、それがハルシュタットのもう1つの顔なのです。
そもそもハルシュタット(Hallstatt)という言葉の意味は「塩の場所」。
塩漬けのハムも盛んに作られていた痕跡が見つかっており、町には塩を運んでいる人の石像があります。
今から7000年も前から行われていた塩採掘は、なんと現在も続いています。
そんな人類の壮大な歴史も体験できるのが、ハルシュタットの魅力にさらに磨きをかけています。
・海のないオーストリア・ハルシュタットで塩が採れる理由
海のない国のオーストリアでなぜ塩が採れるのでしょうか?
それは約2億5000万年前の地球の状況を紐解く必要があります。
現在のハルシュタットがある地域には、その当時、海があったようです。
地殻変動で海が山の間に取り残され、塩湖を造り出され、その塩湖の水を太陽が長い時をかけ蒸発させ、天然の塩造りを行いました。
そこに土砂やマグマが流れ込み塩の層は山の奥底に追いやられます。
そしてある時、人類が塩辛い水が山から流れ出ているのを見つけ、そこから塩を掘り出す事になった、という訳なのです。
・もっと知りたい人には塩の洞窟ツアーがおすすめ
ハルシュタットでは、そんな壮大な人類の塩に関する歴史を学べるツアーがあります。
それが塩の洞窟ツアー。
英語ガイド付きで、大人22ユーロ、子ども11ユーロ、冬季(12月〜3月)以外毎日行われています。(日本語オーディオガイドはプラス6ユーロです)
塩坑の中はかなり冷えるので防寒着を忘れずに。
荷物は無料で預けられるので、カメラだけ持っての参加が可能です。
・ハルシュタット駅からハルシュタットの町までのアクセス
ハルシュタットの町へは、電車を降りた後で小型の船に乗り換えて対岸まで渡る必要があります。
電車に乗る前に時間があれば、チケットが少し値引きになる、電車とフェリーのコンビチケットを窓口で購入する事をお薦めします。
・ハルシュタットフェリー乗り場から塩坑までのアクセス
フェリーを降りたらインフォメーションセンターを目指します。
湖沿いに歩いて20分ほど。
そこからHallstatt salt mineのサインを辿って山の方に向かうと塩坑のチケットオフィスに着きます。
朝早く訪れた場合はハイキングコースもお薦めです。
チケットオフィス手前では、ルーディーおじさんが待っているので是非目印に。
ツアーのお土産に10g入りのお塩がもらえます。
素晴らしい眺めの自然と更には壮大な歴史と文化が色濃く残るハルシュタット。一見の価値ありです。
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