ヨーロッパ屈指の日本人街がある、ドイツのデュッセルドルフに潜入してみた

ドイツ中西部の街、デュッセルドルフ。日本での知名度は高くありませんが、ドイツ在住日本人のあいだでは知らない人はいないほど有名な街。

というのも、デュッセルドルフにはドイツ随一、ヨーロッパでも屈指の日本人街があるからです。

ルール工業地帯の交通拠点であるデュッセルドルフには約540社の日本企業が拠点を構え、駐在員やその家族を中心に、およそ5000人の日本人が居住しています。そのため、在住日本人や日本からの出張者向けの日本関連サービスが発達しました。

ドイツ在住日本人はもちろん、スイスやベルギーといった近隣国に暮らす日本人までもが、「日本」を求めてデュッセルドルフにやってきます。現在ドイツで暮らす筆者も、デュッセルドルフでおいしい日本食を食べることを夢見ていました。

とりわけ、日本関連のお店や日系企業の事務所が集中する「インマーマン通り」には、ここがドイツであることを忘れてしまいそうな光景が広がっています。

ドイツのなかの小さな日本、インマーマン通りとはいったいどのようなところなのでしょう。

インマーマン通りのランドマークといえるのが、「ホテルニッコー」。現在は直営ではないそうですが、日本人スタッフが常駐しており、日本食レストランもあります。ドイツで日系ホテルを見かけることは珍しく、「さすがはデュッセルドルフ」と感心しています。

その向かいには、焼き鳥居酒屋。懐かしの赤ちょうちんがなんともいえない風情を醸し出しています。

隣には日系のベーカリー。もちろん、パン大国であるドイツでは、あちこちにベーカリーがあります。しかし、メロンパンやあんパン、チョココロネ、焼きそばパンといった日本ならではのパンの数々には興奮を抑えられません。

インマーマン通りで、今一番アツいお店がここ、「麺処 匠」かもしれません。在住日本人はもちろんのこと、アジア人やドイツ人など、幅広い客層の人気を集めるラーメン店です。

特に、麺のコシには「ドイツでこんな麺が食べられるとは!」と感激するほど。ここのラーメンを食べにわざわざ遠くからやってくる人がたくさんいるというのもうなずけます。

インマーマン通りはドイツにおける日本文化の発信地としての役割も果たしていて、日本食を食べた後で日本関連のお店をのぞく、日本に興味があるらしいドイツ人の姿もよく見かけます。

日本食品を中心に取り扱うスーパーとして知られる「松竹」。生鮮食品から調味料まで一通りが揃う、デュッセルドルフ在住日本人のライフラインといっても過言ではありません。

毎週土曜日になると、アニメや漫画好きのドイツ人コスプレイヤーたちがここにやってきて、店先でアイスクリームを食べた後、川辺でピクニックをしていたりするのだとか。

日本好きのドイツ人にとって、インマーマン通りはある意味「聖地」のようです。

日本の書籍や文具などを専門に取り扱う日系書店もあります。値段は日本価格の2倍程度と高額にはなりますが、海外で日本の紙書籍が手に入るなんて嬉しいものです。在住日本人だけでなく、日本語学習のための教材を探しているドイツ人女性の姿もありました。

インマーマン通りだけでなく、その周辺にも日系の飲食店が並びます。在住日本人や日本からの出張者に人気の和食レストラン「なごみ」は日本人ビジネスマンでにぎわっていました。

夕食どきには満席になる盛況ぶり。お客さんのほとんどが日本人で、日本のオフィス街とまったく変わらない光景です。

ドイツ語ができなくても日本語で事足りてしまうインマーマン通り。平日のランチタイムともなると、日本人ビジネスマンがラーメン屋や定食屋に繰り出す日本と変わらない日常の風景がそこにあります。

ドイツ在住日本人の心のよりどころであり、日本文化の発信地でもあるデュッセルドルフの日本人街。大聖堂で有名なケルンからも近いので、普通の観光旅行とは一味違った体験を求めて、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

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