【純喫茶紀行】直木賞作家・五木寛之さんが通った金沢の異世界「純喫茶 ローレンス」
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かつて明治時代の日本において、多くの知識人や文化人が集まってい場所、それが「喫茶店」だ。
そんな時代の流れを脈々と受け継いで今にその香りを届けてくれているのが「純喫茶」。
実は「喫茶店」にはかつて「特殊喫茶店」と呼ばれる、現在のクラブやキャバレーのようなものがあり、それと区別するために「純喫茶」と呼ばれるようになったという歴史がある。
昭和の時代には非常に多く存在した純喫茶だが、残念ながら現在は少なくなってきている。
しかしながら味わい深い純喫茶で過ごす時間は、懐かしさや愛しさに溢れており、まさに時間を味わうためにはもってこいの場所なのだ。
今回はそんな時間すら味わえる場所「純喫茶」の1つをご紹介したい。
それが石川県・金沢市の「純喫茶 ローレンス」だ。
・金沢の繁華街・香林坊(こうりんぼう)にそびえる孤高の純喫茶、それが「ローレンス」
香林坊(こうりんぼう)とは金沢の繁華街の1つ。
石川県民なら誰でも知っているデパート「大和(だいわ)」が存在し、金沢の観光バスも必ず停まるこのエリアに、まるで塔のようにそびえ立つのがこのお店だ。
・独特の異世界「純喫茶 ローレンス」
こちらのお店の店内。
装飾品などは全て店主のこだわりで作られている。
店内に置いてあるドライフラワーなどは全て店主の手作り。
また壁などに飾られている絵も店主が描いたものだ。
扉をあけ、お店の中に足を踏み入れると、そこには「ローレンス」という空間が広がっている。
それは世界中どこを探しても存在しない、このお店ならではの「ローレンス」という世界なのだ。
そんな「ローレンス」という世界で執筆を行っていたのが、直木賞作家としても有名な五木寛之さん。
「蒼ざめた馬を見よ、青年は荒野をめざす」が直木賞を受賞した時、受賞の電話をこのお店の電話で受けた、というのだからその話も驚きだ。
・時間を味わえる場所、それが「ローレンス」
こちらのお店、もしかしたら店主の女性については賛否両論あるかもしれない。
ただ、「ローレンス」という世界の主人であるという理解をしていただければ、その世界の主人の話は非常に面白い話ばかりだ。
おいしいコーヒーの話に始まり、描いている絵や小説の話に耳を傾けていると、まさに「ローレンス」という世界の住人にでもなったかのような、味わい深い時間を過ごす事が出来る。
コーヒー嫌いの店主が世界中のコーヒーを探して探し当てたと言う、こちらのコーヒーは確かにコーヒーが嫌いな人でも味わえるスッキリとした美味しいコーヒーであった。
金沢に「ローレンス」という世界あり。
まさに旅をしているからこそ出会えた、そんな奥行きのある純喫茶に出会う、散策をしてみてはいかがだろうか?
きっとそこには、長い間自信をもって純喫茶を運営してきた、ご主人だけの世界観を実現した空間があるに違いないのだ。
そしてそこでは、その世界の時間の流れにどっぷりと身を任せ、その時間を味わう、という、他の空間では絶対に味わう事ができない感覚を味わう事もできるに違いないのだ。
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お店 純喫茶 ローレンス
住所 石川県金沢市片町2-8-18
営業時間 11:00〜19:00