「谷間の真珠」と称されるリスボン近郊の街、オビドスでおとぎの国にトリップ!
|知る人ぞ知る、「谷間の真珠」と称されるポルトガルの可愛らしい街、オビドス。
ポルトガルの首都リスボンからバスでおよそ一時間と、リスボンからの日帰り旅行にもぴったりです。
オビドスの歴史は、海からの外敵の侵入を防ぐためにローマ時代に砦が築かれたことにさかのぼります。1282年にディニス王が、オビドスの街並みに魅了された王妃イザベルにこの街を贈ったのを機に、以後1834年まで歴代の王妃の直轄地として愛されてきました。
街への入口が18世紀のアズレージョで彩られたポルタ・ダ・ヴィラ。ここから、おとぎの国のような別世界への旅がはじまります。
門をくぐると、真っ白な外壁に青と黄色のアクセントが映えるメルヘンチックな街並みが広がります。街のメインストリートであるディレイタ通りにはショップが並び、にぎやかな雰囲気。
店ごとに趣向を凝らしたおしゃれなディスプレイを見ながら歩いているだけで楽しくなります。
目にするものすべてが可愛らしく、心地よく、あっという間にこの街のたたずまいに魅了されてしまいます。
街の中心部がサンタ・マリア広場。中心といっても小さな街のこと。こじんまりとした広場にはゆったりとした時間が流れています。
広場に立つ柱は、「ペロリ―ニョ(罪人のさらし柱)」と呼ばれ、15世紀に建てられたもの。その時代、罪人は籠に入れられ、見せしめのためにここに吊り下げられたのだとか。
サンタ・マリア広場に面して建つのが、街で一番大きな教会、サンタ・マリア教会。
1444年に当時10歳だったアフォンソ5世が、わずか8歳のいとこのイザベラと結婚式を挙げた場所です。壁一面が17世紀のアズレージョで覆われた教会内部も必見の美しさ。
サンタ・マリア広場をさらに奧に進むと、ポザーダ(ポルトガルの国営ホテル)第一号となった城があります。城の敷地内には自由に出入りできるので、堅牢な城の様子を間近で見て、オビドスの歴史を体感してみましょう。
そして、オビドスでのメインイベントともいえるのが、城壁の上を歩くこと。ポルタ・ダ・ヴィラやポザーダ脇など、5ヵ所ある階段から城壁にのぼることができます。
この城壁、なんとか人とすれ違える程度で幅が非常に狭いうえ、柵などもなく、歩くのは実にスリリング。オビドスを訪れる際には必ず歩きやすい靴で出かけましょう。
おそるおそる城壁の上を歩くと、眼下には箱庭のようなオビドスの美しい街並みが広がります。
高いところから見るオビドスの美しさはまた格別。場所によって見える風景も違うので、城壁の上をしばらく歩いてみるか、一度下におりて、違うポイントからもう一度のぼってみるのがおすすめです。
周囲にはほとんど何もない田舎にぽつんと佇むオビドスの街は、どこか非現実味を帯びているような気がしませんか?
日本ではほとんど知られていない小さな街ですが、オビドスはまさに「谷間の真珠」の異名にふさわしい珠玉の街。その美しさと可愛らしさで、今も昔も人々の心をとらえてやまないのです。
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