カラフルなプラナカン建築に心奪われる、シンガポールのカトン地区を歩く
|マリーナ沿いに高層ビルや斬新なデザインの建築物が立ち並ぶ「近未来都市」のイメージが強いシンガポール。しかし、そんなシンガポールにも昔ながらの街並みが残る地区があります。
その代表格が、中心部から少し離れた東部に位置するカトン地区。カトンは、伝統的なプラナカン建築の数々が残る地区として知られています。
外国人観光客はあまり訪れないため、地元の人々の日常に触れられる貴重なエリア。何気ない風景がとても絵になる場所なので、写真好きの人にはたまらないはずです。
プラナカンとは、15世紀後半からシンガポールやマレーシアに渡ってきた中国系移民の子孫のこと。シンガポールやマレーシアにやってきた中国人男性は、現地の女性と結婚し、中国文化にマレーとヨーロッパの文化を融合させた独自の文化を発展させました。それがプラナカン文化です。
彼らが建てた、ネオ・ゴシックやバロックといった西洋の建築様式を取り入れた華やかな邸宅は、プラナカン建築と呼ばれ、一階が事務所や店舗、二階が住居として使われたことから、「ショップハウス」とも呼ばれます。
カトン地区の中核をなす通りが、イースト・コーストロード。
昔ながらの商店も残っていながら、ショップハウスを改装したおしゃれなショップやカフェが並ぶ新旧が混在する通りです。プラナカン雑貨やアンティークのショップもあり、一味違ったシンガポール土産を手に入れたい人にもぴったり。
カラフルなショップハウスが並ぶ通りはムード満点。シャッターが止まらなくなってしまいます。
カトンは、プラナカン料理をはじめ、おいしいローカルフードが集まっていることでも有名。カトンに来たらぜひ、ラクサをはじめとするご当地グルメに舌鼓を打ちましょう。
イースト・コースト・ロードに加え、もう一本歩きたい通りが、イースト・コースト・ロードと交差するジョー・チアット・ロード。
ジョー・チアット・ロードは、イースト・コースト・ロードよりも小さな通りで、よりローカルな雰囲気が色濃く残っています。
中国寺院とモスクが至近距離で向かい合っているなど、異文化が混在している光景にも興味をそそられます。
ジョー・チアット・ロードに並ぶ店舗は、昔ながらの食堂や商店が中心で、人々の日常生活を身近に感じられるのが魅力。
その一方で、近年はおしゃれなショップやカフェも登場しています。なかでも、可愛い看板猫がいるハイセンスな雑貨店「キャット・ソクラテス(Cat Socrates)」は注目株。
ジョー・チアット・ロードの中ほどから一本外れたクーン・セン・ロードには、パステルカラーの美しいプラナカン建築の数々が残っています。
繊細な装飾が施された砂糖菓子のような建物が並ぶ光景はなんともメルヘンチック。まるでここだけ時が止まっているかのように感じられます。
近代的な都市国家シンガポールにあって、今なおプラナカン文化が息づくカトン地区は、近代的なマリーナ地区とはまさに別世界。
あなたも、今まで知らなかったシンガポールに会いに、カトン地区に出かけてみませんか。
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