台湾の原点!台南・安平にある台湾初の城「安平古堡」とは

重要な史跡が点在する台湾の古都・台南。台南のなかでも最も古い歴史をもつのが、台南中心部から5キロほど離れたところにある安平地区。

台湾で最も早く開かれた街で、かつては海上貿易によって繁栄しました。安平を歩けば、いたるところでノスタルジックな歴史の残り香が感じられます。

そんな安平のランドマーク的存在が、台湾初の城「安平古堡(あんぴんこほう)」。

もともとは、台湾における植民地支配の拠点として、オランダ人によって築かれた城です。建設された当時は、「ゼーランディア城」と呼ばれ、台湾統治の中枢、さらには対外貿易の中心地としての役割を果たしていました。

その後1661年、台湾の英雄・鄭成功がオランダ人の手から台湾を奪回。この地を「安平」に、ゼーランディア城を「安平鎮城」に改名しました。

鄭成功のもと、反清復明の司令部として栄えましたが、台絵に土砂が入り込み地理的重要性を失ったうえ、清朝時代に政治の中心が現在の台南中心部へと移され、安平鎮城はしだいに荒廃していきます。

台湾が日本の統治下に入ったときには、城は荒れ果てた状態でした。日本の統治下で再建が始まり、赤レンガの平台や日本式の税関宿舎が建設され、オランダ時代に築かれた城砦は破壊されました。

戦後、台湾に復帰してからは、現在の名称「安平古堡(あんぴんこほう)」と呼ばれるようになり、現在は観光スポットとして親しまれています。

安平古堡のシンボルとなっているのが、レンガの壁で囲まれた高台に建つ展望台。もともとは、1945年に周辺の動きを監視するために建てられた塔で、展望台が設けられたのは1975年のことです。

展望台の横に建つのは「元オランダ城洋館 史跡記念館」。かつてこの場所に日本式の税関宿舎がありました。

展望台がある高台の足元には、台湾の英雄・鄭成功の像が立っています。

大勢の子供たちが社会見学でここを訪れていて、台湾において鄭成功がいかに重要な人物であるかを実感せずにはいられません。

敷地の反対側には「ゼーランディア城博物館」があり、時代の波に呑まれてきた安平の歴史を学ぶことができます。

ゼーランディア博物館の背後には、赤レンガが色褪せてまだらになった外城の壁跡が70メートルにわたって残っています。

そこには、朽ちかけた城壁にガジュマルの枝がからみつく奇景が。まるで「盛者必衰」の真理をあらわしているかのようであり、安平が歩んできた激動の歴史を物語っているかのようでもあります。

しかし、そこに陰惨さやもの悲しさはありません。「形あるものが時とともに変わりゆくのは自然なこと」。そんなメッセージを感じました。同時に、姿を変えつつもまだここに存在しているという事実に、心強さを覚えます。

台湾の歩みを語るうえで欠かせない、台南、そして安平の歴史。その原点がここ、安平古堡にあるのです。

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名前 安平古堡(あんぴんこほう)
住所 台南市安平区国勝路82号
電話 +886-6-2267348
http://www.twtainan.net/ja-jp/Attractions/Detail/2572/