ドイツ・フランクフルトのレーマー広場に建つアルテ・ニコライ教会、その繊細なステンドグラスは一見の価値あり!

フランクフルト観光のハイライトと言えばレーマー広場。

立派な市庁舎と木組みの建物に囲まれたこの広場では、高層ビルが立ち並ぶ金融都市フランクフルトからは想像もつかないような、中世ヨーロッパの雰囲気が漂っています。

そんなレーマー広場の南側にひっそりと立っているアルテ・ニコライ教会は、赤い尖塔が特徴的な可愛らしい教会です。

この教会はとても古く、その歴史は12世紀まで遡ります。実はつい最近まで、この教会はもっと新しいものだと考えられていました。しかし1989年から1992年にかけて行われた修復の際に考古学者たちが、この教会が本当は12世紀に建てられたのだという事を突きとめたのです。

もとは宮廷教会として建設されたアルテ・ニコライ教会。15世紀には塔の上に見張りが建っていたのだそうです。

ちなみに、同じくレーマー広場にある市庁舎の「皇帝の間」には神聖ローマ皇帝の戴冠パレードを描いた絵が飾られており、そこにアルテ・ニコライ教会もしっかりと描かれていますよ。皇帝の間では、歴代の皇帝の肖像画が壁にずらりと並んでいて迫力があります。興味のある方はこちらも併せて訪れてみてください。

教会はそれほど大きくなく、内部の装飾も豪華と言えるものではありません。しかしこの教会で注目していただきたいのが、そのステンドグラスです。

この美しいステンドグラスがはめ込まれているのは、教会の南側の窓です。中世的なモチーフの繊細な絵柄で、教会の歴史と同様にさぞかし古いのかと思いますよね?しかし実はこのステンドグラス、制作されたのが1930年代とだいぶ新しい物なのです。

元々はある一家のプライベートな礼拝堂の為に作られたこのステンドグラス。第二次世界大戦中はフランクフルトの北西にあるリンブルクという街に保管され、1951年になってこの教会に取り付けられたそうですよ。

そんなに新しいのかと驚く方もいるかもしれませんが、新しいからと言ってこのステンドグラスの美しさが変わる事はありません。コーラス台の後ろのステンドグラスには、4人の宣教師が描かれています。こちらは黄色でまとめられており、先ほどのステンドグラスとはまた変わった雰囲気ですね。

そして北側のステンドグラスには、絵ではなくひし形の模様が描かれています。教会でこのようなステンドグラスを見るのも、珍しいと思いませんか?カラフルでないステンドグラスを見たのが初めてだった筆者にとって、これはとても興味深かったです。

それぞれ趣の違うステンドグラスが楽しめるアルテ・ニコライ教会。フランクフルトのレーマー広場に来た際には、この教会にも少し足を延ばしてみてください。

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