世界一美しい街への拠点!南ボヘミア、チェスケー・ブディェヨヴィツェの魅力とは

「世界一美しい街」として知られるチェコの世界遺産の街、チェスキークルムロフ。そこへの拠点となるのが、南ボヘミア最大の都市、チェスケー・ブディェヨヴィツェです。

チェスキークルムロフへはプラハからの日帰り旅行も可能ですが、チェスケー・ブディェヨヴィツェを起点にすれば、チェスキークルムロフとチェスケー・ブディェヨヴィツェを両方観光できて、1度で2度おいしい旅になりますよ。

1265年、チェスケー・ブディェヨヴィツェは、ボヘミア王国の王立都市として建設されました。16世紀には塩の取引や銀の集積所として栄えましたが、1618年に三十年戦争が勃発して以来、幾度となく戦禍に巻き込まれ、1641年の大火災では226軒もの建物がわずか1日で焼け落ちてしまいました。

ヨーロッパで工業が発展し始めた1832年、チェスケー・ブディェヨヴィツェとオーストリアのリンツを結ぶ、ヨーロッパで初めての馬車鉄道が敷設され、街は再び活気を取り戻します。

現在見られるチェスケー・ブディェヨヴィツェの街並みは、1641年の火災後に再建されたもので、バロック様式のパステルカラーの美しい建物が印象的です。

鉄道駅から、カラフルな建物やストリートアートを眺めながら歩くことおよそ10分。旧市街へと至ります。

旧市街の中心をなすのが、「プシェミスル・オタカル2世広場」。1ヘクタールの広さをもつ、ヨーロッパで最も大きな広場の一つとして、チェコの数学の教科書にも載っているのだとか。

広場の中央には、18世紀に制作された「サムソンの噴水」が立っています。聖書に登場するサムソンがライオンと戦う様子を描いた力強い彫刻は必見。

広場にはアーティスティックなオブジェも並んでいて、バロック時代と現代が融合したかのような、ユニークな光景が広がっています。

四角い広場は、チェコでも格別の美しさを誇るバロック様式の市庁舎をはじめ、バロック様式とルネッサンス様式の色とりどりの建物に囲まれています。

広場の「顔」である市庁舎は、淡いブルーの外壁に優美な装飾が施された、砂糖菓子のように可愛らしい建物です。日本でいう「市役所」がこんなに芸術的な建物だなんて、ちょっと羨ましくなりますね。

広場に面したレストランやカフェもあるので、美しい市庁舎を眺めながらお茶や食事を楽しんではいかがでしょうか。

プシェミスル・オタカル2世広場のほど近くには、チェスケー・ブディェヨヴィツェの街を一望できる黒塔があります。

この黒塔には面白い言い伝えがあり、塔の管理人が鐘を鳴らす任務を怠ると、瘦せこけたお化けが出てきて、かわりに鐘を鳴らしたのだそう。そのお化けが見えるのは、子どもだけだと言われています。

黒塔の上からは、数百年前からほとんど変わっていないであろう端正なチェスケー・ブディェヨヴィツェの街が見渡せます。

確かに、上から見るとプシェミスル・オタカル2世広場の大きさは際立っていますね。

黒塔のそばには、聖ミクラーシュ大聖堂が。1641年の火災で焼け落ち、バロック様式で再建されましたが、もともとは13世紀に建てられた古い歴史をもつ聖堂です。

内部は白を基調とした優美な雰囲気で、派手さはないものの心がほっと和むような空間です。

プラハやチェスキークルムロフに比べると、観光客の姿がまばらでのんびりとした風情のチェスケー・ブディェヨヴィツェ。だからこそ、気取らないチェコの日常の姿に触れられます。

宿泊費や食事代が安いわりに、チェスキークルムロフまではバスで約50分、「チェコで最も美しい城館」といわれるフルボカー城へはバスで30分前後と、近郊の見どころも充実。

さらには世界50ヵ国以上に輸出されている「ブディエヨヴィツキー・ブドヴァル」と呼ばれるビールの産地としても有名で、ビール好きにはたまりません。

チェコの素顔が垣間見える心地良い街、チェスケー・ブディェヨヴィツェで心安らぐひとときを過ごしてはいかがでしょうか。

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