【世にも奇妙な場所】地獄寺と呼ばれるマレーシア・ゲンティン高原の中華寺

マレーシアの首都・クアラルンプールから車で約1時間。ゲンティン・ハイランド(Genting Highlands)は政府唯一の公認カジノとホテルなどがある高原リゾートとして知られています。

ゲンティン・ハイランドまであと一息というところで突如としてその姿をあらわすのが清水岩廟(Chin Swee Caves Temple)。

「雲の上のラスベガス」と称されるゲンティン・ハイランドを切り開いた華僑出身の故人・林梧桐(Lim Goh Tong)。

19歳で中国・福建省からマレーシアに移住し、一代でリゾート建設で財を成し大富豪になりました。

清水岩廟は林梧桐と彼の会社などが、およそRM800万(約2億円)の寄付をして建立。

切り立った崖に囲まれた近隣の風景は子どもの頃を過ごした街と大変よく似ていたのだとか。

信心深い仏教徒だけではなく、彼の偉業にあやかろうとする人など多くの人が訪れています。

清水岩廟は海抜1800メートル近い山の上にあるため気象条件により霧に覆われやすく快晴の日があまりありません。

霞の向こう側にうっすらと見える五十の塔、大仏、菩薩像それがまた神秘的で厳かな雰囲気を醸し出しています。

このように清水岩廟は名勝としても訪れる価値がじゅうぶんあるのですが、それだけではありません。

もう一つの見所ゆえに、通称ゲンティンの地獄寺とも呼ばれているのです。

寺の中には「啓蒙への旅(Journey To Enlightenment)」という参拝路が設けられています。

これは天国と地獄をオブジェにしてストーリー仕立てにした、いわばアトラクション。

早い話が「悪いことをすると地獄に落ちてこのような罰を受けますよ」というのを説いてるそうなのですが、オブジェがかなりリアルなのと原色を中心とした色使いでかなり衝撃的なビジュアル。

どうやらこれは古代中国の言い伝えを元につくられたとのことなのだそうですが、はっきり言って大人でも怖い。

まずは地獄。閻魔さまから罪状が告げられているシーンからスタート。

歩いて行くにしたがって、いわゆる裁きの場である「八大地獄」が目の前に繰り広げられます。

6つの世界で苦しむ人々を観音様が救うという廻輪道六(六道輪廻)を表した絵が、どうやら地獄と天国の境界。

菩薩像の前を通り更に進むと、鶴の造形が壁一面に。どうやら天国ゾーンのようです。

同じく原色を基調としてはいますが地獄とは違い、明るい場所に展示されています。

どうやらこちらの神様は財運アップのようです。

マレーシアではあまり表立っては開催されていない数字選択式宝くじ(日本のナンバーズのようなもの)の数字が書き込んであったりといきなり現世感が。

この地獄と天国のゾーンの後には、なぜか「西遊記」の登場人物が。

清水岩廟は仏教寺という厳かな場所でありながらもゲンティンのリゾートと深く関連があるせいか、エンターテイメント的な雰囲気が見え隠れしているのかもしれません。

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名前 清水岩廟(Chin Swee Caves Temple)
住所 Genting Highlands, Pahang Darul Makmur, Genting Highlands 69000
公式URL http://www.csc.org.my/