北ドイツの町ハンブルクで、ランドマークにもなっている壮麗な外観の市庁舎を訪ねて

北ドイツにあるハンブルクは、北海からエルベ川を約100kmさかのぼったところにある活気あふれる町。世界遺産にも登録されている赤レンガ倉庫街のほか、可愛いショップやカフェが集まるシュテルンシャンツェ地区、新鮮な食材から雑貨まで何でもそろうフィッシュマルクトなど、観光もショッピングも楽しみたい人にはうってつけの場所です。

今回はそんなハンブルクのランドマークでもある市庁舎を紹介。ハンブルク州議会の議事堂となっている建物ではあるものの、1階ホールや中庭部分は誰でも自由に散策が可能できます。

ヨーロッパを旅していると美しい市庁舎にいくつも出会いますが、ハンブルクの市庁舎はそのなかでも群を抜いていると言っていいでしょう。

現在のハンブルク市庁舎が建設されたのは、1886年から1897年にかけて。それまでは別の場所に市庁舎がありましたが、1842年に町を襲った大火災の際、火の進行を食い止めるため取り壊されていました。

優美な印象の建物はネオルネサンス様式。ファサード部分には神聖ローマ帝国における歴代皇帝20人のブロンズ像が飾られ、重さはそれぞれ600kgもあるのだそうです。

正面から見える2人のブロンズ像は、神聖ローマ帝国の歴史において特に重要な人物。向かって左が神聖ローマ帝国における初代皇帝のカール大帝、向かって右はその勇猛さから「英雄」と称えられたフリードリヒ1世(赤ひげ王)です。

それでは中に入ってみましょう。入り口から入ると重厚感ただようエントランスホールが広がり、いくつも並ぶ太い柱には多大な功績を残した学者や芸術家らのレリーフが彫られています。

市庁舎ではガイドツアーも開催。バッキンガム宮殿よりも数が多いと言われる部屋のなかから、全長50mもある「祝賀の間」や歴代市長の肖像画が飾られた「皇帝の間」などを見学できます。予約はホール内のインフォメーションでできるので、興味のある方はぜひ参加してみてください。

ホールを抜けて中庭に出ると、まず目に入ってくるのは中心に置かれている泉。中心には健康をつかさどる女神「ヒュギエイア」のブロンズ像が置かれ、1892年に発生したドイツ国内で最後となるコレラ大流行を思い起こす場所となっています。

こちらの壁には、ハンブルクの歴史において重要な役割を果たした司教らの像が飾られています。このほか壁の至るところに施された細かな装飾もじっくり観察してみてみるのも楽しいですね。

ハンブルクのランドマークでもある市庁舎。壮麗な外観もさながら、歴代皇帝のブロンズ像や「ヒュギエイア」の泉などは町やドイツの歴史を語りかけているようでもあります。ガイドツアーで見学する内部も素晴らしいので、ぜひ参加してみてください。

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