【世界の街角】ドイツ・ハンブルグで世界中を旅してきたリックマー・リックマース号を見学しよう
|港町として世界的に有名な町の1つ、ドイツ・ハンブルク。
エルベ川沿いを歩いていると、どことなくレトロ感が漂う外観の船が現れます。
それが今回ご紹介する、船丸ごとが博物館となっている「リックマー・リックマース号」。
リックマー・リックマース号は1896年にブレーメンで造船されました。
造船所を所有する会社の設立者の孫の名にちなんで名付けられ、1896年に就航したリックマー・リックマース号。
記念すべき初航海での行先は香港でした。キャプテンのほか運転手、コック、水夫といった乗組員を乗せたリックマー・リックマース号はブレーメン港から香港へ出発したのです。
この船が体験したものは、順風満帆な航海ばかりではありません。
時には嵐によってマストが破損し、近隣の港に緊急停泊しなければならない事も多々あったようです。
またリックマー・リックマース号が運んだ物資も多岐に及びます。初航海で香港へ行った帰りには、アジアから竹や米をブレーメンまで運んできました。南米チリへ向かった際には硝石を積んだほか、英国人の手に渡った際には戦争の武器を運んだこともあるのです。
世界中を旅して様々な物資を運んできたこの船も、1962年ついにその役目を終えます。
その後はしばらくポルトガルのとある倉庫で保管されていましたが、1983年に故郷であるドイツに戻り、1987年から博物館として公開されています。
甲板の上に立てば、当時の活気あふれる航海の様子が伝わってくるようです。この上を何もの水夫が駆け回っていたのでしょうか。あちこちに架けられている大量のロープは、荷物の積み下ろしや船をつなぎ留める為など、様々な用途に使われてきました。
当時使われていた部屋も公開されており、船乗りたちが船の上でどの様な生活をしていたのか、その一場面を垣間見ることもできます。船長の部屋は他の乗組員の物に比べてだいぶ大きいです。
他にも航海室や受信室、病人を看病する部屋もあり、船の上の暮らしに馴染みのない私達にとってはとても興味深いものばかりです。
船の後部からは、博物館として公開されている「キャプテン・サンディエゴ号」が見えます。その後ろに見えるのは、今年1月にグランドオープンしたばかりのエルプ・フィルハーモニーです。
世界中を駆け巡った後、いま役目を終えて静かに佇んでいるリックマー・リックマース号。その甲板に立ち、当時の航海の様子に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
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リックマー・リックマース号
営業時間 10:00~18:00
住所 St. Pauli Landungsbrücken, Ponton 1a, 20359 Hamburg
電話 +49-(0)403195959
HP http://www.rickmer-rickmers.de/klicken-sie-hier-um-zum-anfang-zu-gelangen/