日本一のモグラ駅!群馬県の土合駅の地下ホームで昭和の時代を感じよう

日本国内には鉄道ファンにとってたまらないユニークな電車や路線、そして駅が点在しています。なかでも群馬県と新潟県の境目にあるJR上越線の土合(どあい)駅は、関東の駅百選にも選ばれており、ホームが地下深くにあることで有名です。

今回は「日本一のモグラ駅」という異名をもつ土合駅をご紹介しましょう。


群馬県高崎市の高崎駅から新潟県長岡市の宮内駅までを結ぶJR上越線。

この路線に存在する土木遺産の1つこそ、川端康成の小説「雪国」のあまりにも有名な一節「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」に表現される清水トンネルです。

清水トンネルとのちに開通する新清水トンネルの最寄駅、それが今回ご紹介する土合駅なので。

無人の改札を抜けると地上の上り線と、地下の下り線にわかれています。下りホームは新清水トンネルの中に位置しています。

地下の下りホームまでは、462段続く階段をゆっくり下がっていきましょう。階段の左右には休憩用のベンチも置かれていますので、飲み物を飲んだり休憩したりと、無理のないペースで進むことが大切です。およそ10分ほどで下り線のホームに到着します。トンネル内はとても涼しく、植物のつたがからまったり、湧き水が流れている様子を見ていると、なんだか時が止まった場所のように感じます。

こちらのJR上越線では、大正時代に作られた現在の上り線をかつては単線として使用していました。

単線とは、相対する方向への列車を1つの線路のみで運行する方法のことです。

しかし高度経済成長期に入ると、企業や日本経済の成長に伴って、関東と新潟間を行き来する人が増加。大幅な輸送客数の増加に対応するために、線路を2本に増やし、複線化されることになりました。

この頃にはトンネルの建設技術が進歩しており、勾配を避けて輸送時間を短くするために新清水トンネルのなかに新しく下り線が作られることになりました。

そのため、上りホームは地上に、下りホームは地下に建設されることになったのです。長年の日本の歴史が土合駅に反映されていると言えそうです。

下りホームから地上の改札口にたどり着くためには、462段の連絡通路階段、長さにすると約338mをのぼり、さらに24段の連絡通路階段を歩かなくてはいけません。

土合駅は鉄道ファンだけでなく、多くの登山客に谷川岳の玄関口として長年親しまれてきました。

駅周辺には緑が広がっており、深呼吸するだけで自然とリラックスできるはずです。ぜひ群馬県や新潟県方面へのお出かけやドライブの際には、日本一のモグラ駅・土合駅に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

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名前 土合駅
住所 群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽218-2