スウェーデン・ゴットランドの中世週間でタイムスリップ気分を満喫

バルト海に浮かぶスウェーデン最大の島ゴットランドは、北欧有数の美しい景観を持つ島。

首都のヴィスビューの旧市街は「魔女の宅急便」のモデルになった街の一つで、ストックホルムのガムラスタンと共に近年、更なる注目を集めています。

今回はヴィスビュー旧市街で毎年夏に開催されている「中世週間」をご紹介します。ヴァイキング時代に造られたヴィスビューの町は、12世紀から15世紀頃にハンザ同盟の交易の中心地的役割を果たし、大きな発展を遂げました。

ヴィスビュー(visby)の旧市街は、13世紀から14世紀の間に作られた古い城壁に囲まれた町。

3.5キロメートルの強靭な城壁は完全に近い姿で残されており、壁を挟んで旧市街と新市街が分かれています。ヴィスビューの見所は、数多くの廃墟となった古い教会や建物です。

かつては城壁内に17の教会がありましたが、16世紀世紀にリューベックの攻撃を受けた際に、ただ一つの教会を除いてすべて破壊されてしまったのです。

ただ一つ残った教会は、ハンザ同盟のドイツ人の為に建てられたサンタマリア教会で、現在も美しい姿を見る事ができます。時が止まった廃墟と、町中に咲き乱れる花のコントラストがとても不思議な雰囲気。
ヴィスビューは「薔薇と廃墟の町」と称されるほど、花で彩られた美しい町なのです。

毎年8月の上旬に開催される中世週間(medeltidsveckan)の期間中は、ゴットランドの歴史に関するイベントや中世マーケット、騎士のショーなどの様々なイベントが開催されています。まず訪れたいのは、公園内で一日中開催されている中世マーケットです。お店の方だけでなく、お祭りに来ている一般の人の多くも中世の衣装を身に着けており圧巻です。マーケットでは中世をモチーフとしたハンドメイド雑貨や工芸品、軽食の屋台などが軒を連ねます。現地で衣装を調達して、お祭りに参加してみるのも楽しそうですね。中世の時代の庶民の装いをしている人が多いですが、中には本格的な騎士の衣装を身に着け、鎧や兜を身に着けている人も観られます。

開催年度よっては、実際に騎士の装いをした団体が過去の戦を再現するイベントなども開催されているんですよ。中世の鍛冶屋を再現している屋台では、ハンドメイドの鉄のアクセサリーパーツや中世の武器のレプリカなどが販売されており、その横で実際に作業工程を実演していました。軽食の屋台でおすすめなのは、ゴットランド名物の豚の丸焼きです。店の裏側では豪快に調理されており、香ばしい匂いが風にのって流れてきます。日が暮れると中世週間で最も人々が熱狂する瞬間がやってきます。騎士のトーナメントは、馬に乗ったプロの騎士が、剣、弓、槍などを使い、技術を競います。

北欧の夏は夜の9時頃にやっと陽が沈み始め、騎士のトーナメントを見ながら徐々に日が沈む光景は、とても神秘的な美しさを秘めていました。

ゴットランドのヴィスビューがもっとも賑わう夏、ぜひあなたも中世週間を訪ねてみませんか?

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名前    中世週間(medeltidsveckan)
アクセス  ヴィスビュー旧市街内、マーケットは海側の公園(DBW:s Botaniska trädgård)で付近で開催。 
開催期間  8月上旬(年度によって開催日が異なるので、公式HPから要確認)
公式サイト http://www.medeltidsveckan.se/en/