山々の彩りと天然温泉が楽しめる木曽古道 木曽福島温泉 ぬくもりの宿「駒の湯」

西は御岳山系、東は中央アルプスという日本でも屈指の高さを誇る山々に囲まれた場所、木曽。

今から約400年前に徳川家康によって整備された、江戸を中心とする幹線道路「五街道」のひとつ「中山道」が木曽を貫いていますが、その中山道ができる前に木曽谷を南北につなぐ「木曽古道」という道がありました。

今回紹介するのは、その木曽古道にひっそりたたずむぬくもりの宿「駒の湯」。

内湯と露天風呂を備えた天然温泉、木のぬくもりを感じるゆったりとした部屋、そして、信州木曽らしい、山と川の恵みを取り入れた料理が自慢のお宿です。

笑顔の仲居さんに出迎えられ、チェックイン。

つややかに光る柱と床から、よく手入れされている様子が伝わってくるフロント。誰でも自由にくつろげるラウンジスペースがあり、無料Wi-Fiも利用できます。

ロビーの横の「駒の湯文庫」は、陳列された本やコミックスを読んだり、仲間と歓談したり、庭を眺めてのんびりしたり、思い思いに過ごすことができる共有スペース。

駒の湯 客室

駒の湯には、木のぬくもりを感じるゆったりとしたお部屋で四季を通じてまわりの山々の彩を楽しめる新館、時の流れがつくり出した古き良き山の宿の佇まいの本館、かつて「ランプの宿」と呼ばれ木曽駒登山や湯治の宿泊客が利用した旧館の3つがあります。

今回宿泊したのは、新館3階にある「かつら」という、ゆったり落ち着いた雰囲気のお部屋。

窓の外に広がる山々の緑を眺め、お庭を流れる小川のせせらぎの音を聞きながら、のんびり過ごすことができます。普段都会に暮らしている人であれば、その静かさに驚くかもしれません。

客室は、洗面所、バスルーム(ユニットバス)、トイレつき。食事は大広間でとることになりますが、それ以外の時間はほかの宿泊者を気にすることなく、お部屋でリラックスできます。

駒の湯 天然温泉(お風呂)

「体の芯から温まる」と評判の駒の湯温泉は、自家源泉の鉄鉱泉。

昭和の時代には木曽の人々から「新湯」と呼ばれ、親しまれてきたこの温泉、泉質は二酸化炭素・カルシウム・炭酸水素塩を含む「中性低張性冷鉱泉」とのこと。

内風呂は木曽檜造り。厳しい自然環境で育つ木曽キノキは、それ以外の地域のヒノキとはまったく性質が異なり、日本の最高級ブランドの材木として、憧れの対象になっています。

木曽の山里で木曽檜造りのお風呂に浸かれるのは、なんとも贅沢な心持ち。

露天風呂は、リラックスできる香りの薬草風呂となっています。

野山に自生する薬草をお風呂に入れさまざまな病を治していたかつての木曽に習い、数種類の薬草を効果的に配合しているそう。決して強い香りではないのですが、心身がほぐされるようです。

露天風呂を囲む前後左右の壁によって四角く切り取られた空は、まだ青いモミジの葉に縁どられ、ぼうっと見上げていると、自分が木曽の自然の一部に溶け込んでいるかのような錯覚を覚えます。

緑のモミジも良いものですが、10月の紅葉の時期には、さらに見事な景色が露天風呂から見られるそうですよ。

駒の湯のお風呂は、チェックインの後は一晩中、朝8時30分まで、いつでも入ることができます。温泉好きなら、夜のお風呂と朝のお風呂、ぜひ両方とも楽しんでみてくださいね。

駒の湯 食事(夕食)

駒の湯の食事(夕食・朝食)は一階の大広間でいただきます。指定の時間に大広間に行くと、部屋の名前がかかれた札がテーブルに置かれ、支度が整えられていました。

信州の地酒をはじめとして、お酒の品ぞろえも豊富。果実酒、ワインなども注文できます。

駒の湯では、華美な料理は出てきません。しかし、信州木曽らしい、山の恵み・川の恵みをふんだんに取り入れたおいしい料理をいただくことができます。

献立の内容は季節によって異なりますが、この日は、ゆずの食前酒に始まり、ニジマスの甘酢漬け、とうもろこしのパンナコッタ、五平餅、トマトと茗荷の天ぷら、鯉のうま煮、ボウズ茸の煮びたしなどの前菜盛り合わせ。

駒の湯特製味噌の陶板焼きは、豚肉に絡む、軽く焦げた味噌の香ばしさがたまりません。

舞茸の茶碗蒸し、信州サーモンのサラダ仕立て、おおびら(郷土料理)、茄子と生麩の揚げ浸し。

野菜を巻いて蒸した牛肉、とろろのかかったお蕎麦、安曇野産コシヒカリを使用したご飯、お味噌汁、そして、デザートはほうじ茶のパンナコッタ。目も、舌も、お腹も大満足の夕食でした。

温泉も料理も期待以上に素晴らしく、この時点でもすでに「来てよかった!」と思っているのですが、駒の湯の魅力はそれだけではありません。

星空体感ツアー

駒の湯では、宿泊者へのサービスとして、「キビオ峠星空体感ツアー」を開催、夕食後に、駒の湯より車で約10分のキビオ峠まで案内してもらえます。

夏から秋にかけては天の川、晩秋から初春までは澄んだ星空が楽しめるとのことで、筆者も参加してきました。

こちらがキビオ峠から見えた満天の星空! 想像以上にの素晴らしい星空に、参加者の口から感嘆の声が上がりました。

ここ木曽谷は、北は御嶽山、南は木曽駒ヶ岳と3000メートル級の山に囲まれた谷なので、光がほとんど入らず、東大の天文台があるほどの場所。この日はわずかに月明かりがありましたが、新月の夜はさらに小さな星々まで見えるそうです。運が良ければ流れ星も見られるかもしれません。

(※冬季は開催なし、また夏から初春の期間も天候によって開催しない日があります。)

忙しない日常を離れ、山々の彩りに囲まれたお部屋に泊まり、天然温泉で疲れを癒すことができるぬくもりの宿「駒の湯」を訪ねて、木曽へ旅してみませんか。

10月初めから10月末は紅葉が見ごろを迎え、澄んだ空気の中、美しい星空も期待できそうです。

Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

【施設詳細】
名称 木曽古道 ぬくもりの宿「駒の湯」
住所 長野県木曽郡木曽町福島 47-2
電話 0264-23-2288
公式サイト http://komanoyu.com/
Facebookページ https://www.facebook.com/komanoyu
木曽おんたけ観光局のページ https://visitkiso.com/hotels/30/detail/



この記事のお店・スポットの情報

お店・スポット名 : 木曽古道 ぬくもりの宿「駒の湯」

住所 : 長野県木曽郡木曽町福島 47-2