湖畔に佇む南ドイツの美しい町バート・ヴァルトゼーを歩こう

美しい街並みが多いことでも知られる南ドイツ。ローテンブルクやニュルンベルクなどは日本人の間でも特に有名ですが、それらはほんの一部。数多くある美しい街並みの多くは、日本ではまだほぼ無名に近いのです。

今回ご紹介するのは、そんな日本ではほとんど知られていない美しい町のひとつであるバート・ヴァルトゼー(Bad Waldsee)。湖の湖畔に佇む、静かで美しい町です。

バート・ヴァルトゼーがあるのは、世界一高い大聖堂があるウルムとボーデン湖とのほぼ真ん中。この辺り一帯は「オーバーシュヴァーベン地方」と呼ばれている地域になります。

町は「オーバーシュヴァーベン・バロック街道」という観光街道にも属しており、旧市街ではバロック建築の教会や、またゴシック建築の建物が目を引きます。観光客もほとんどなく静かで落ち着いた雰囲気が漂う中、のんびりと町歩きが楽しめます。

この町でまず目に飛び込んでくるのが、2つの塔を持つペーター教会。晴れている日は白い壁が眩しいほどです。

教会の壁に貼られている貝殻の彫刻は、ここが巡礼路であることを示しています。巡礼路と言えばフランスからスペインにある「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」を目指すものが有名ですが、実はドイツにもこのような巡礼路が張り巡らされているのです。

教会内部はとても広く奥行きがあります。筆者が訪れた際は他の訪問者がいなく、静寂と荘厳さが教会の中を満たしていました。

所々に金の装飾が施されているほか、天井に描かれた絵画も繊細で美しいです。

教会を見終えたら町の中心へ足をのばしてみましょう。やがて見えてくるのは1426年に建てられたゴシック様式の市庁舎です。その美しさから、これまでに2回も切手のデザインとして採用されました。

市庁舎の横を更に進んで行くと、外観がひときわ目を引く建物が現れます。

これは町が経営する老人福祉施設。1300年にはここにあったという歴史ある建物の中で、お年寄りが静かに過ごしているのです。希望者は内部を見学する事も可能です。

町歩きに疲れたら、湖畔のカフェでひと休みするのも良いでしょう。湖をのんびりと眺めながら、「次はどの町へ行こうか。巡礼路を巡ってみようか」なんて考えるのも楽しそうですね。

湖畔にひっそりと佇む美しい町バート・ヴァルトゼー。あなたの知らない美しい町が、ドイツにはまだまだ沢山あります。

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