古い屋敷や教会が点在する、沖縄の離島っぽいブルガリアの伝統的な村・アルバナシ

ブルガリア人のあいだでも人気の高いブルガリア屈指の観光地、古都ヴェリコ・タルノヴォ。その近郊には、古都とともに時を刻んできた伝統的な村々があります。

そのひとつが、ヴェリコ・タルノヴォから北へわずか4キロのところにあるアルバナシ。古い屋敷や歴史ある教会が並ぶ、伝統的な町並みが残るのどかな村です。

この村には古くからの屋敷が80あまり点在していて、そのうちの36軒は国の文化財に指定されています。

ひなびた田舎そのもののアルバナシに美しい屋敷が多いわけ。それはオスマン朝統治時代、この村は税制上の特権を受け、村人たちは有利な条件で商売をし、蓄財をすることができたからなのです。

ヴェリコ・タルノヴォ発着のバス停や、いくつかのレストランがある広場が村の中心部。

ヴェリコ・タルノヴォからアルバナシに到着すると、「ここが中心!?」とあまりののどかさに驚いてしまうほどです。

アルバナシで見逃せない屋敷が、アルバナシで最も美しいといわれる「コンスタンツァリエフの家」。オスマン朝時代のヴェリコ・タルノヴォ総督の親戚にあたる女性の旧家で、現在は博物館として公開されています。

伝統的な生活様式が再現された屋敷内に入ると、まるでタイムスリップしたかのような気分に。

トルコ風のソファやコーヒーセットなど、アジアを感じさせる雰囲気がありながら、壁にはイコンが掲げられており、東西が混じりあったようなエキゾチックな空間です。

アルバナシを代表する教会のひとつが、聖誕教会。

アルバナシで最も古い教会で、内部はギャラリー、ナルテクス、本堂の3つの空間に分かれています。飾り気のない外観からは想像もつかないほど、内部は色鮮やかに彩られていて、壁と天井一面がフレスコ画で覆われた空間は圧巻。

とりわけ精緻な彫刻が施された黄金色のイコノスタスは息を呑む美しさです。

ほかにも、アルバナシで唯一のドームをもつ大天使ミカエル・ガブリエル教会や、聖ゲオルギ教会などの見どころがあります。

中心部から少し外れるとニワトリの鳴き声が聞こえ、昔ながらの村の風景が広がるアルバナシ。

ざっくりと積み上げられた石造りの家々に、ピンクの花々・・・風景は違えど、どこか沖縄の離島を思い起こさせるような平和でゆったりとした空気が流れています。

有名な教会の近くでは、村の女性たちが手作りの刺繍製品などをのんびりと売る姿が見られます。

実は、都会では決して味わえないこの独特の空気感こそが、アルバナシ最大の観光資源といえるのかもしれません。

点在する屋敷や古い教会を訪ね歩きながら、ゆるりと流れる村の時間に身を任せてみませんか。

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