カツサンド発祥の地でいただく、由緒正しき美味しいトンカツ / 東京都文京区湯島の「井泉 本店 (いせん)」
|香ばしいラードの香りに、サクサクの衣。ジューシーな肉のウマミと脂の競演。ソースをたっぷりとかけてアツアツのご飯と一緒に頬張れば……
そんな料理の味わいを想像するだけで唾液が溢れてくる料理の1つと言えばトンカツだ。
日本全国に数多のトンカツ店があり、そのお店そのお店が独自の工夫を凝らしており、一番美味しいトンカツを決める事は難しいに違いない。
例えば、蒲田の名店「丸一」や同じく蒲田で人気の「檍(あおき)」、そして浅草橋の「丸山吉平(まるやまきっぺい)」などは、林SPFという豚肉ブランドを知っている方からすれば、当然おいしいトンカツ店と言えるだろう。
また、東京・秋葉原の名店といえば「丸五(まるご)」であるし、トンカツ発祥の地といえば、東京・銀座の煉瓦亭(れんがてい)である。さらには、ミシュランの星を獲得した絶品のトンカツを味わえるお店、世田谷区玉川の「大倉」も捨てがたい。
もちろん東京だけではない。
例えば、広島のソウルフードの1つといってもいいほどの名店「肉のますゐ」のトンカツに、長野県木曽町にひっそりとたたずむ「しらかべ」のパンケーキのようなトンカツ、そして新潟タレかつ丼発祥の店、新潟県・新潟市「とんかつ太郎」など、全国に目を向ければ、数え上げる事すら難しいのだ。
そんな数あるトンカツの名店の中から、今回は上野広小路の名店「井泉 本店 (いせん)」をご紹介したい。
・カツサンド発祥の地、それが「井泉 本店 (いせん)」
こちらのお店、昭和5年(1930年)創業の老舗トンカツ店。
1930年といえば、ロンドン海軍軍縮会議が開催され、マハトマ・ガンジーがインドの独立を目指して「塩の行進」を行うなど、世界的に様々なうねりが産まれていた時代。
そんな時代に産まれたのがこちらのお店なのだ。
東京の花街として賑わっていた下谷(したや)の芸者たちの口元が汚れないように、時間がかからずにつまんで味わえるようにとこちらのお店の初代によって作られたのが、いまでは全国的に有名となっている「かつサンド」。
まさに新しいトンカツの時代を切りひらいたお店の1つ、それが「井泉 本店 (いせん)」なのだ。
・美しく柔らかいトンカツ、それが井泉の流儀
こちらのお店のトンカツは見た目にも上品なトンカツ。
箸でも切れるほど柔らかくなるような仕事がされたトンカツは、まさに芸術品と言っても過言ではない。
そんな美しいトンカツに、こちらのお店のトンカツソースをサッとひとかけする。
それをご飯の上にのせて味わえば、まさに至福の時間がスタートする。
もちろん、トンカツだけではない。美味しい豚汁には分厚い豚肉に長ネギやニンジンなど、ゴロゴロとたくさんの具がたっぷりと入っている。
全てを味わえば幸せになれる、そんなトンカツ定食がここにはある。
第二次世界大戦を乗り越え、約90年もの長きにわたって愛されてきたこちらの美味しいトンカツを味わってみてはいかがだろうか?
そこにはカツサンドという先進的な取り組みを続けてきた食への飽くなき追求をつづけてきた、美味しい技が光るトンカツがあるに違いないのだ。
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お店 井泉 本店 (いせん)
住所 東京都文京区湯島3-40-3
営業時間 平日11:30~20:50 / 土日・祝11:30~20:30
定休日 水曜日
お店のHP https://www.isen-honten.jp/