知らないと恥をかく!?ドイツのレストラン・カフェの常識7つ

ドイツを旅行するなら、きっと一度は現地のレストランやカフェを利用するはず。その土地ならではの味に舌鼓を打つのは旅の楽しみのひとつですね。

日本とは勝手が違うドイツのレストランやカフェでの習慣を知らないと、戸惑ってしまうばかりか、マナー違反をして恥をかくことにもなりかねません。

今回はドイツ在住のライターである筆者が、ドイツのレストランやカフェをスマートに、かつ気持ちよく利用するために知っておきたい7つのことをお伝えします。

1.たいていの店では勝手に席について良い

ドイツでは、カジュアルなレストランやカフェで、案内に来るスタッフがいなければ勝手に席についても構いません。ただし、予約席”reserviert”や常連席”Stammtisch”は空けておきましょう。スタッフが出てきた場合は、来店人数を伝えて案内にしたがいます。

なお、ドイツでは飲食店の屋内席は原則禁煙です。一般的なレストランやカフェでは、喫煙は屋外のテラス席などでしか認められていないのでそのつもりで。

2.まず飲み物を注文

ドイツのレストランでは、まず飲み物を頼み、注文したドリンクが運ばれてくるのを待つあいだに料理を選ぶのが一般的です。飲み物の注文は早いタイミングで聞かれることが多いので、メニューをもらったらまずは飲み物のページを見て注文するものを決めましょう。

メニューが”Speisekarte”と”Getränkekarte”の2種類ある場合は、ドリンクメニューである”Getränkekarte”を先にチェックし、料理メニュー”Speisekarte”は後からゆっくりと見ます。

メニューが一冊しかない場合は、飲み物はメニューの後ろのほうに載っていることが多いです。

ちなみにドイツでは水も無料。炭酸入りの水が一般的なので、炭酸なしの普通の水を希望する場合は、はっきりとその旨を伝えておいたほうが無難です。炭酸なしの水は、ドイツ語では”stilles Wasser(シュティレス ヴァッサー)”といいます。

3.注文が決まったらメニューは閉じる

注文したいものが決まったら、メニューは必ず閉じましょう。ドイツでは「メニューを開いている=まだ決まっていない」という意思表示になるので、メニューを開いたままにしておくと、いつまでたっても注文を取りに来てもらえないかもしれません。

ちなみに、ドイツ語では「メニュー」は”Karte(カルテ)”といい、ドイツ語の”Menü”は「定食」や「コースメニュー」の意味になります。

4.テーブルごとに担当者が決まっている

ドイツのレストランやカフェでは、テーブルごとに担当者が決まっていて、同じ担当者が注文から会計まで一貫してサービスを行うのが普通です。そのため、追加の注文や会計などは、すでにテーブルにやってきた担当者にお願いします。

担当者がなかなか姿を見せない場合、ほかのスタッフに声をかけてサービスを必要としている旨を伝えてもらうことはできますが、担当でないスタッフが直接サービスしてくれることは期待できません。

この仕組みを知らないと「不親切だ」と思ってしまうところかもしれませんが、ドイツではそれが当たり前なのです。

5.お会計はテーブルで

ドイツのレストランやカフェでは、お会計はテーブル会計が基本。担当スタッフに”Zahlen, bitte(ツァーレン ビッテ)”と声をかけて会計をお願いします。

クレジットカードでの支払いを希望する場合は、その旨を付け加えるとスムーズ。クレジットカード決済端末をテーブルまで持って来てくれることが多いですが、店によっては決済端末が置いてある場所まで行って暗証番号を入力することもあります。

6.チップは会計時に手渡し

ドイツにはチップの習慣があり、セルフサービスでないレストランやカフェでは、合計金額の10パーセントほどをサービス料として上乗せして払うのが一般的。

ただし、厳密に10パーセントを計算する必要はなく、伝票金額が12ユーロの場合は13ユーロ、14ユーロなど端数が出ないキリのいい金額を支払います。

チップといえば、帰り際にテーブルに置いていくものというイメージがあるかもしれませんが、ドイツのレストランやカフェでのチップの払い方はちょっと独特。会計時に、チップも含めた金額を担当者に直接払います。

たとえば、チップを含めて13ユーロを払う場合、”Dreizehn Euro, bitte.(ドライツェーン オイロ ビッテ)” と、いくら払うのかはっきりと意思表示します。ちょうどの持ち合わせがあってお釣りをもらう必要がないときは、「これでちょうどです」の意味で、”Stimmt so(シュティムト ゾー)”と言います。

ドイツのレストランやカフェでは、たいてい基本的な英語が通じるので、ドイツ語がわからなければ、これらのやりとりはもちろん英語でも構いません。

7.大声で「すみませーん!」はNG

レストランやカフェに入ってスタッフがなかなか来ないとき、日本では「すみませーん!」と大きな声で呼ぶ人がいますよね。カジュアルなお店なら日本では特に問題にならないこの行為ですが、ドイツでは重大なマナー違反になってしまいます。

いくらカジュアルなお店でも、これをやってしまうとスタッフのみならず他のお客さんからも白い目で見られてしまうことに・・・

ドイツのレストランやカフェでは、スタッフがテーブルに来てくれるまで静かに待つのが基本ですが、どうしても時間がないときにはスタッフがいるところまで歩いていって、そっとお会計をお願いするなど、大きな声を出さない方法をとりましょう。

基本的にドイツのレストランやカフェのサービスはゆったりとしているので、日本の感覚でいるとやきもきしてしまうこともあるかもしれません。

急いでいるときはセルフサービスの店を利用するのも手ですが、時間があるときは「ドイツ流」に合わせて、ゆったりと食事やお茶の時間を楽しむのもいいものですよ。

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