【世界の吉野家】タイの吉野家で味わう絶品オリジナルメニュー「ピリ辛牛焼肉丼」とは?
|日本人にとって身近な海外旅行先、タイ・バンコク。観光・ショッピング・グルメと三拍子そろったこの町には、いつ訪れても新しい発見が待っています。
近年ますますバンコクを賑わせているのが、日本発の外食チェーン。「へぇ、このお店もタイに進出しているんだ!」と驚くほど、バンコクの町は多種多様な日本食のお店であふれています。
とはいえ、それらのお店は日本の店舗をそのまま持ち込んでいるのではなく、タイの人々のニーズや好みに応じて商品やお店のつくりを変えています。
今回はそんなタイに進出している日本のチェーン店の中から、日本が誇る美味しい牛丼チェーン吉野家をご紹介しましょう。
吉野家と言えば「はやい・うまい・やすい」が代名詞の有名牛丼チェーン店で、日本の牛丼業界においては、すき家に次ぐ店舗数2位を誇るお店です。
今回は、日本の吉野家とは一線を画す、15店舗展開されているタイの吉野家を紹介しましょう。
訪れたのは、バンコクの一大繁華街サイアムにあるショッピングセンター「サイアムスクエア・ワン」5階にある店舗。
ご存じの通り、日本では吉野家といえば、早い・安い・ウマいで人気を集めていて、手早く食事を済ませたい人や、毎日の食事にあまりお金をかけたくない人が行く店というイメージです。
ところが、タイの吉野家は日本の吉野家とはずいぶん様子が違っています。
タイの吉野家は、入店するとまず席に案内され、ゆっくりとメニューを見てから席で注文します。入店時には「いらっしゃいませ」と日本語で声がかかります。
日本語が表紙に書かれたメニューを見ると、ここは日本かと錯覚してしまいそう。
メニューはタイ語と英語、日本語の3言語で表記されている上、写真つきでとてもわかりやすいです。
今回のお目当ては、タイの吉野家オリジナルの「ピリ辛牛焼肉丼(Spicy Yakiniku Beef Bowl)」。「牛丼」を「牛焼肉丼」と名付けているのは、それだけタイでの「Yakiniku」人気が高いということなのでしょう。
ほかにも、タイの吉野家はうどんや照り焼きサーモン丼、餃子や唐揚げなど日本にはないメニューがたくさんあります。屋台は別として、タイの飲食店はたくさんのメニューがあったほうがお客さんの受けがいいのです。
「北海道ザンギ」という美味しい唐揚げメニューも存在しています。
現在、日本を訪れるタイ人は100万人を超えているそうで、ここにも日本のグルメの裾野の広がりを感じます。
ピリ辛牛焼肉丼のお値段は、レギュラーが155バーツ(約530円)、ラージが185バーツ(約630円)。ちなみに普通の牛丼はレギュラーが129バーツ(約440円)、ラージが159バーツ(約540円)です。
全体的に見れば日本よりもずっと物価の安いタイですが、日本では牛丼並盛が380円なので、タイの吉野家のほうが日本の吉野家よりも値段が高いのです。
これは屋台や安食堂なら30~60バーツ程度で麺やご飯ものが食べられるタイの物価事情を考えると、かなり高めの価格設定だといえます。
しかも、タイの食事はワンポーションが少ないこともあって、タイの吉野家では「レギュラー=小盛」と考えたほうがいいくらい。日本の吉野家の並盛りを期待したらその量の少なさにびっくりするかもしれません。
同量換算すれば、タイでは牛丼並盛が500円ほどすることになり、屋台での食事の3~5回分程度に相当します。もちろん水やお茶などの飲み物はすべて有料。
タイの吉野家は、高級店というほどではないにしても日本のように「安い店」という位置づけではないため、店の雰囲気も日本より上品で高級感があります。
客層にも違いがあり、グッチのバッグを持ったお金持ちマダム風の女性がテイクアウトをしていたり、ヴィトンのバッグを持ったOL風の女性がスマホで牛丼の写真を撮ったりしていました。タイにおいては、吉野家は「ファストフード」というよりも「レストラン」なのです。
さて、注文したピリ辛牛焼肉丼が運ばれてきました。美しいトレイに載った牛丼は、日本の吉野家で見るよりも高級感が漂っているような気がします。
やはり量は少なく、小食の女性やそれほどお腹が空いていないけれどちょっと食べたいときにぴったりのサイズ。
「ピリ辛牛焼肉丼」とはいうものの、てっぺんにちょこんと載っている唐辛子のスライスを除き、見た目はまったく辛そうではありません。「本当に辛いのかな?」と思いながら口に運んでみると・・・辛いです!
見た目は赤いわけでもなく、全然辛そうには見えないのですが、唐辛子を直接食べなくてもかなりピリピリします。「ピリ辛」と訳されてはいますが、日本人にとってはピリ辛どころではなく、辛いものが苦手な人はひいひい言うレベルかもしれません。
でも、味は文句なしにおいしいです。甘辛い牛丼のタレとスパイスの相性がこんなにいいなんて思いもしませんでした。もし日本の吉野家に同じメニューがあったら、きっと辛いもの好きに受けるはずです。
量に加え、もうひとつ日本の吉野家との違いが、タレの量が少ないこと。タイではご飯をタレでひたひたにするという文化がないようで、日本人の感覚からすると驚くほどタレが少ないのです。
「これじゃ味が薄いんじゃないか」と思うのですが、そのぶんタレと肉の味が濃いめで、全体としてはしっかりとした味が楽しめるように仕上がっています。
味つけやタレの量など、日本の一般的な牛丼との違いはあるものの、お米はタイ米ではなく日本米、牛肉も柔らかい薄切り肉で本物の日本食でした。
ピリ辛牛焼肉丼をおいしくいただいた後、シメに抹茶アイスクリームを注文。
タイの吉野家では抹茶アイスクリームや葛餅など、ちょっとしたデザートも食べられるのです。これは辛い料理を食べた後、甘いもので口の中を中和させたいというニーズがあるからでしょうか。
日本人でも美味しく味わえる抹茶アイスクリームでしたが、タイ人向けにやや甘みが強いものが選ばれているという印象を受けました。
タイだからこそ味わえる吉野家の味わい。
もしタイを旅する機会があったら、海外に展開されているからこその味わいを試してみてもいいかもしれません。
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名前 吉野家 サイアムスクエア・ワン店 (セントラル・グループ(吉野家タイランド))
住所 254 Phayathai Road, Wangmai, Pathumwan Bangkok 10330
営業時間 サイアムスクエア・ワンの営業時間に準じる
定休日 なし
オフィシャルfacebook https://www.facebook.com/YoshinoyaThailand