ロンドンにある世界一ブラック!?なゲームセンター
|イギリスが誇る世界最高峰の博物館「大英博物館(The British Museum)」から徒歩10分。ロンドンの一等地と言えるエリアの裏通りに位置する「ノベルティ・オートメーション(Novelty Automation)」は、それぞれ世界に1台しかない手作りのアーケードゲームを揃えた一風変わったゲームセンターです。
店内に並ぶのはパパラッチ・ゲーム、ペットorミート、マネーロンダリング、マイ原子力など、ブラックジョーク満載のユニークなゲーム機ばかり18台。
このゲームセンターの仕掛け人はエンジニアで漫画家、作家でありアーティストでもあるティム・ハンキン氏。1988年から1993年にかけてイギリスの大手放送局「チャンネル4」で放送された、様々な機械や工業製品の仕組みを紐解く教育番組「ザ・シークレット・ライフ・オブ・マシーンズ(The Secret Life of Machines)」のプレゼンターも努めた人物です。
ハンキン氏は子供の頃から機械を作るのが大好きで、エンジニアとしての職を得てからも、一風変わった手作りのアーケードゲームの制作を続けてきました。
2001年にはサフォークの海辺にある遊歩桟橋「サウスウォルド・ピア(Southwold pier)」にハンキン氏が制作したゲームを集めた「アンダー・ザ・ピア・ショー(Under the Pier Show)」をオープンさせ、現在もこの優雅な海辺の街にやってくるリゾート客を楽しませています。
ハンキン氏のゲーム熱はその後も冷めず、新たに制作したゲーム機の置き場がなくなったことを機に、ロンドンに今回ご紹介するノベルティ・オートメーションをオープンさせました。
入場は無料。毎月第一木曜日にはバーもオープンし、お酒を飲みながらゲームに興じることもできます。
まずはカウンターでトークンを購入し、早速ゲームで遊んでみましょう。
・DIVORCE(離婚)
「どちらが切り出す?家は?子供はどうなる?ペットはどちらが引き取る?」
2人で遊ぶゲームです。ハンドルを相手より早く多く回し、人形を自分側に傾けさせたほうが勝ちですが、最終的には両者真っ二つに別れます。家の中の家電やおもちゃといった小物も細かく再現されています。
・MY NUKE(ぼくの/わたしの核)
「より安全になりました!」「きみの核で世界をアッと言わせよう!」「ゲームが終わったら食べられる核廃棄物をもらってね」
遊び方は簡単。まずロボットアームを操作して燃料ボックスを開き、燃料ペレットを拾い、化学反応器に装填する。成功すれば発電しグリーンのライトが点灯します。
・PET OR MEAT(ペットか肉か)
トークンを入れハンドルを回すとルーレットが回ります。ボタンを押してルーレットを止め、『ペット』ならディスプレイの子羊が家族の一員になるシーンになり、『ミート』なら食卓でラム肉がふるまわれるシーンに変わります。
・SMALL HADRON COLLIDER(素粒子衝突器)
「神の素粒子を発見しよう」「ミクロのブラックホールに消えてなくなる奇妙な素粒子を見つけよう」「ノーベル賞を受賞しよう!」
1970年台の日本のパチンコ台をアメリカから取り寄せて作ったというこちらのゲームは、物理学をテーマにしており、パチンコ玉が入っていく穴をブラックホールに見立てています。実際にまだ動くこのパチンコ台のハンドルを弾いてボールを打ち出し、ホールに玉が入ると上部のパネルに「からまる靴ひもの理論→絶対にほどけない靴ひももある」などといった『初心者向けの物理学(?)』が表示されます。
・TEST YOUR NERVE(度胸試し)
トークンを入れ、獰猛そうな犬のオリに手を入れてボタンを押し続けます。今にも襲い掛かってきそうな犬の恐怖に耐えて、いつまでボタンを押すことができるかな?
犬の舌からは唾液に見立てた生暖かいぬるま湯が滴り落ちてくるリアルな演出もあり。
・Celeb!(セレブ!)
「ドアの向こうをのぞいてみよう!」「オスカーの受賞スピーチを練習しているのは誰かな?」
ハリウッドの豪邸に住むセレブリティ達を、小型のドローンを操作して撮影するゲーム。高く売れそうな写真を撮れるかな?
これらの他にも資金洗浄ゲーム、奇妙な夢を見る木製のからくり人形、スマホに顔を落として歩く『iゾンビ』を避けて歩くゲームなど、現代社会を皮肉ったゲームが盛りだくさん。
世界に名立たる観光名所のみならず、こうした個性的でユニークな見所が数多く存在するのもロンドンの魅力。有名な博物館や美術館と合わせて訪れてみてはいかが?
Novelty Automation
住所:1A Princeton Street,London,WC1R 4AX
営業時間、水金土:11時~18時、木:12時~20時(毎月第一木曜は21時まで)、日月火休み
※2018年5月現在
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア