上高地ハイキングは初心者でも大丈夫?シティ派ライターが挑戦してみた
|古くから日本を代表する山岳リゾートとして親しまれてきた長野県の上高地。ハイキング愛好家はもちろんのこと、そうでなくとも1度はその名を耳にしたことがあるでしょう。
普段はハイキングや山歩きに縁がなくても「長野に行ったら一度は上高地を歩いてみたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。とはいえ、自然の中を歩くことに慣れていないと、いきなりのハイキングに身体がついていけるのか、不安もありますよね。
そこで、普段は完全にシティ派、旅行といえば街歩きがメインの筆者が、初めての上高地ハイキングに挑んでみました。
上高地ハイキングの代表的なコースは以下の2つ。
①大正池をスタートして、河童橋を経て上高地バスターミナルへと至る全長約4.4kmのコース(河童橋を経て、再度大正池に戻るパターンもあります)
②上高地バスターミナルをスタートして、河童橋や明神を経て、上高地バスターミナルへと戻る全長約7.9kmのコース
ハイキング初心者の筆者がどちらを選んだかというと…
両方!どちらの風景も捨てがたかったため、①と②をつなぎ合わせて、「大正池をスタートし、河童橋を過ぎてそのまま北上し、明神を経て上高地バスターミナルでゴール」というルートです。ただし「実際に歩いてみてキツそうだったら途中でギブアップする」という前提にしました。
スタート地点の大正池は、1915年の焼岳の噴火によって一夜にして生まれたといわれているせきとめ湖。雪の残る穂高連峰とはっとするほどに透明な湖が織り成す風景に、のっけから感動。スタート地点でこんなに美しい風景が見られるとは「上高地おそるべし」です。
その後も、周囲の風景を鏡のように映し出す湿地を歩いたり、
野生のサルに遭遇したり、
絵の具を流したかのような梓川のエメラルドグリーンに目を奪われたりしながら歩き続けるうちに、上高地のシンボル・河童橋に到着。景色の素晴らしさもあり、ここまでの道のりは案外短く感じました。
幸運にも雲ひとつない快晴だったこともり、ガイドブックや絵はがきで見るような圧巻の光景が広がっていました。梓川に架かる全長36.6mの河童橋は、カラマツでできた吊り橋で、現在の橋は1997年に架け替えられた5代目なんだとか。
自然と木製の吊り橋のコラボレーションがあまりにも美しすぎて、何度でも写真に収めたくなってしまいます…
まだ余力があったのでリタイアはせず、河童橋周辺でランチ休憩を挟んで明神池へと向かうことに。
大正池~河童橋間は高低差がほとんどなく、スニーカーでも問題ありませんが、河童橋~明神はより本格的なハイキングとなるので、ハイキングシューズがあったほうがいいでしょう。
途中、湿原なども通過しますが、大正池~河童橋間に比べると視界のさえぎられた森の中を歩く区間が多く、多少のアップダウンもあるので、自然の中を歩くことに慣れていない筆者には少々こたえました。
「どこかで休憩したい~!」と思っても、カフェなども見当たらないため、丸太の上に座って休憩を取りながら、自分を奮い立たせて明神池を目指します。
そしてついに、明神池がある穂高神社奥宮に到着!
ひょうたんの形をした明神池は、四季折々の風景を映し出すことから「鏡池」とも呼ばれる美しい池。強い霊気を宿すパワースポットとしても知られ、静謐な水面を眺めているだけで心が安らぎます。
ここで「ゴール」といいたいところですが、帰路につくためには上高地バスターミナルまで歩かなければなりません。来た道と反対側のルートでバスターミナルを目指します。
最後のほうは足がプルプル、息も絶え絶えでしたが、なんとか踏破。総歩行距離は13km強でした。
よく整備され、アップダウンの少ない上高地は初心者にもチャレンジしやすいハイキングスポットとはいえ、多少のアップダウンはあるので、同じ距離でも街を歩くのとは疲れ方が違います。それでも、「狙ってもこんな天気にはなかなか恵まれない」という快晴の空の下、ひたすら身体を動かし続けるのは爽快で、歩ききったときは達成感に包まれました。
検証の結果、上高地ハイキングは初心者でもまったく問題ないということがわかりました。ただし、今回筆者が選んだ大正池~明神~上高地バスターミナルのルートは運動不足の人には少々ハードなので、「もっと気軽に上高地を歩きたい」という人は、大正池~河童橋のコースを選ぶといいでしょう。
1時間程度で歩けるコンパクトなルートながら、上高地を代表する絶景が詰まっていて、感動の連続になること請け合いです。
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