京都府宮津市で泊まりたい! 天橋立を望む宮津温泉の料理旅館「茶六別館」

京都府北部にある宮津市は、日本三景「天橋立」で知られる、海の京都エリアを代表する市です。天橋立ビューランド、笠松公園、元伊勢籠神社、成相寺などのスポットもよく知られています。

宮津駅は、京都駅から電車(特急はしだて)で約2時間。せっかく訪れるなら、宮津に一泊して、伊根の舟屋で有名な伊根町や京丹後市などに足を伸ばすのも良いでしょう。

宮津らしさを満喫できる温泉旅館に泊まりたいなら、宮津市島崎にある、天橋立をのぞむ数寄屋造りの宿「茶六別館(ちゃろくべっかん)」がおすすめです。

創業300年、11代目茶谷六治が大工を伴い全国の和風建築を訪ね歩き、職人仕事の粋を結晶させたというこの宿は、随所にその意匠と技がちりばめられ、和風建築のわびさびを感じられます。

客室は、床の間や違い棚、繊細な欄間がある“書院風”の「蓬莱の間」、コブシや竹・さるすべりなど節や曲線の美しい自然木を使用した “数寄屋風”の「難波」や「砧の間」など、趣の異なる12室。

今回宿泊した「悠の間」井筒は、2階の角部屋で、広縁の窓からは天橋立が望めます。床柱に室の木の出節丸太と赤松の皮付き、楽懸はさるすべり、框、床板、敷居は桜が使われた数寄屋造りで、壁には天橋立の屏風絵が描かれているのが印象的です。

主室10畳、副室4畳、広縁、檜風呂があり、木造りのぬくもりに包まれてくつろげます。茶六別館には温泉大浴場があるので、多くの人がそちらを利用するのではないかと思われますが、こんなに立派な部屋風呂も備わっているのに驚きました。

茶六別館は料理旅館としても有名で、毎朝漁港から取り寄せる新鮮な海の幸や、丹後の豊かな自然の恵みをふんだんに使った季節の京風懐石が楽しめます。

「地方(郷土)」を表す『風土』、「鮮度(旬)」を表す『風味』、「盛り付け(見た目)」を表す『風景』の“三風”を重んじ、素材の持ち味を存分に活かすことにこだわっているそうです。

12月の旬の味覚懐石は、松葉蟹や地のもの三種盛り、松葉蟹真丈、こっぺ蟹の酢の物といった宮津ならではの冬の味覚を堪能できる献立でした。器や盛り付けも美しく、五感で食を楽しめます。

松葉蟹は冬季限定(11月上旬~3月下旬)。この時期にしか味わえない極上の甘みと旨味です。

但馬牛A5ロースオーブン焼きは、椎茸、大根、蓮根とともに山椒味噌のソースでいただきました。甘い脂が口の中でほどけて広がる、絶品のお肉です。

そして、冬の宮津といえば、やっぱりぶりしゃぶは外せません。日本海の波にもまれ、寒さとともに脂がのる冬の風物詩・寒ぶりを薄切りにし、サッと出汁に通してポン酢でいただくと、まろやかな旨味が口いっぱいに広がります。

夕食の後は、館内にある温泉大浴場で温まりましょう。「太郎の湯」と「小町の湯」の2つの大浴場があり、21時に男女入替となるため、夜と朝で両方の浴場を楽しめます。

宮津温泉は、 湯上り後いつまでもホカホカと体の温かさが続き、疲労回復に効果があると言われています。庭園の景色を眺めつつ、心身ともにくつろげる露天風呂は特に気持ちが良いです。

静かなロケーションでぐっすり休んだ翌朝は、宮津産の干物、みそ汁、焼きたてだし巻などの朝食をいただきます。自家製のお出汁でいただく湯豆腐や、十六穀粥はほっとする優しい味わいです。地元の契約農家から仕入れるという丹後産コシヒカリの炊き立てご飯もいただけます。

趣のある和風建築で木造りのぬくもりを感じ、丹後の海の幸・山の幸を堪能して、温泉で体を癒せる茶六別館。ちょっと贅沢な大人の宮津旅行におすすめのお宿です。

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名称:宮津温泉 茶六別館
住所:京都府宮津市島崎2039-4
アクセス:京都丹後鉄道宮津駅より徒歩10分。京都縦貫道 宮津天橋立ICより車で5分
公式サイト:茶六別館