志摩・英虞湾を望む全室オーシャンビューの和風リゾート「賢島宝生苑」宿泊体験記

三重県志摩市の「賢島宝生苑」は、英虞湾を望む全室オーシャンビューの和風リゾート旅館です。朝な夕なと変わりゆく英虞湾の景色を楽しみ、伊勢志摩や三重県の食材を使った美食を味わって、空と海に続くかのような天然温泉に身をゆだねる……そんな特別な滞在が叶います。

エントランスから館内に一歩入ると、目の前に広がるのは吹抜のアトリウム和風庭園。向かって左側にあるレセプションでチェックインの手続きを済ませたら、さっそくお部屋に向かいます。

客室(華陽棟 特別フロア『翠景』ベッド付和室)

賢島宝生苑には「華陽(かよう)棟」と「燦陽(さんよう)棟」の2つの客室棟があります。今回は、華陽棟の上層にある特別フロア『翠景』ベッド付和室に泊まりました。

翠景のベッド付和室は、セミダブルベッドを配した、年代を問わず過ごしやすい客室です。 夕日側を向いており、窓際のベンチシートで刻々と移ろいゆく海景を楽しむことができます。

ベランダからの夕暮れの景色。とても静かで、夜には星も見えました。

ダイニングテーブルがあり、部屋食をいただけるのもこのお部屋の魅力。裸足でくつろげる和室が好きだけれど、ベッドとテーブルがあるほうがいいという方にぴったりです。

しつらいも上品で、飾り棚には生け花と三重県指定伝統工芸品の日永うちわが置かれていました。釣竿と同じ女竹(めだけ)を細かく裂き、交互に袋状に編んでいるため、竹が弓のようにしなり、扇ぐ風が柔らかくなびきます。こうした伝統工芸品に触れられるのも、地域に根差した老舗のお宿らしいなと感じました。

伊勢茶のティーバッグと東海道関宿の銘菓「関の戸」が用意されているのもうれしかったです。

夕食 味重めぐり会席(部屋食)

華陽棟 特別フロアでは、夕朝食ともに部屋食を用意してもらえます。17時30分から19時までの希望した時間に、和室のダイニングテーブルに配膳してもらえるので、周りに気兼ねなく、くつろいで食事を楽しみたい方にぴったりです。

今回は伊勢海老・松阪牛・鮑(あわび)などが入った、特別フロア『翠景』オリジナルメニューの「味重めぐり会席」いただきました。前菜は酒肴盛り合わせ(大蛸の柔らか煮、穴子の白煮、アラハダの酢じめ)とお造り、乾杯のドリンクはさんざしジュース(ノンアルコール)です。

お造りは伊勢海老洗い、イサキ、シマアジ、カツオの4種類。魚は三重県産のものが中心とのことです。アラハダの酢じめは、カットされた山芋ときゅうりと一緒に海苔で巻いていただきます。

温物は松阪牛しゃぶしゃぶと野菜一式。香り高い自家製のごまだれでいただきます。

だし汁にくぐらせた松阪牛しゃぶしゃぶを頬張ると脂の甘みとお肉の旨みが口中に広がりました。

箸休めはレモン風味のジュレ掛けサラダ(ミニトマト、紅芯大根、ロマネスコ、人参)、中皿は蒸し鮑ステーキ トマトクリームソース ますいくら添え、揚げ物は車海老と野菜の天麩羅。

御飯は、南伊勢町で獲れた新鮮な真鯛のお刺身をほかほかご飯にのせて、卵を溶いたたれを掛けていただく、伊勢まだい たれ掛け御飯。蜆とあおさのすまし汁と一緒にいただきました。

デザートにカットフルーツと嶺岡豆腐 黒蜜ぞえをいただき、大満足で夕食を終えました。葛粉、生クリーム、牛乳、杏仁パウダーを使った嶺岡豆腐は宝生苑オリジナルで、とろりとした舌ざわりとやさしい甘さ、杏仁の風味が楽しめます。

(※本記事で紹介した味重めぐり会席は2025年8月にいただいたものです。食材は季節によって変更する場合があります)

朝食 和定食(部屋食)

朝食も夕食と同じように部屋食でいただけます。会席箱は珍味三種盛り、焼き物はぶり味醂干し、かます干物、焼き明太子、お造りはビンチョウマグロ重ね造り、冷鉢は冷ややっこ、八寸は自家製だし巻き玉子、染めおろし、あおさはんぺん、昆布佃煮、蓋物はがんも含め煮 野菜炊き合わせ。その他、生野菜サラダ、ご飯、汁物、デザートもついています。

品数豊富で、朝から贅沢な気持ちになります。座ったままゆっくり食べられるのもうれしいです。

すじ青海苔を三重県産こしひかりのご飯にのせて、ちょっぴり醤油を垂らして食べるのがおいしくて、ご飯をおかわりしてしまったほど。(ご飯はおひつで出てくるので、おかわり自由です)

伊勢志摩温泉「朝なぎの湯・夕なぎの湯」

賢島宝生苑には、賢島で初めて源泉を引き込んだ天然温泉 伊勢志摩温泉「朝なぎの湯・夕なぎの湯」があります。宿泊者は、正午から深夜0時と、午前5時から9時までの時間帯に、何度でも好きなだけ入浴できます。

画像提供:賢島宝生苑

男性専用の「朝なぎの湯」、女性専用の「夕なぎの湯」、どちらの庭園露天風呂や展望大浴場からも海と空の雄大な景色を眺められます。展望大浴場には、熱めの湯・温かめの湯が選べるミカゲ石風呂と木風呂のほか、サウナや水風呂も備わっています。

画像提供:賢島宝生苑

賢島宝生苑の代名詞ともいえる絶景露天風呂から、海に浮かぶ真珠筏や波のきらめき、行き交う船を眺めていると、ゆったりとした時の流れを感じられることでしょう。遮るものがなくどこまでも広がる空と海を眺めていると、自分もこの自然の一部に溶け込んだような気持ちになれました。

泉質はナトリウム―塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)で、とろみのある泉質は身体を温める働きが高く、肌をつややかに整えてくれます。

穏やかな英虞湾を眺めながらのんびり温泉に浸かると、身も心もゆるゆるとほどけていくような気持ち。海の匂いがして、天気が良ければ夜には満天の星も見えます。朝と夜の時間帯は宿泊者専用となるので、ぜひ賢島宝生苑に宿泊して、朝と夜の露天風呂も堪能してみてください。

画像提供:賢島宝生苑

名称:賢島宝生苑
所在地:三重県志摩市阿児町神明718番地の3
アクセス:近鉄賢島駅より無料送迎バスで約3分
公式サイト:https://www.hojoen.com/

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