【イタリア旅】重なり合う美、チンクエ・テッレに息をのむ

かつては海洋国家として栄え、商工業で一時代を築き上げた都市ジェノバの南、リグーリア海を臨む海岸沿いに、世界中から観光客の集まる5つの小さな集落がある。

集落は、11世紀に要塞都市として建設され、陸路での孤立、貧弱な土質という条件にも関わらず、その後1000年以上に渡って存続している。

5はチンクエ、土地はテッレ、5つの集落は「チンクエ・テッレ」という愛称で世界中の人々に親しまれており、北イタリアの一大観光名所としても有名である。

万人をまず魅了するのは、色とりどりの家々、そして、地中海の青。

狭い土地に、家々が重なり合いながら大きくなった集落は、自然の営みがもたらす美しさをたたえている。

平地を欠き、痩せた土地ばかりのチンクエ・テッレ。

この地で生き抜くため、工夫に工夫を重ねた地元民がたどり着いた答えは、ワイン醸造。

人々は急斜面の固い岩盤を砕いて石垣を築き、岩盤を砕いた際に出た砂を土壌にして畑を切り開いた。数百年かけて築かれてきた石垣の総延長は、6700kmにも及ぶ。

この砂でできた痩せた畑に根付いたブドウは、その厳しい環境からかあまりたくさんの実をつけない。

しかし、その厳しい環境で育まれたブドウは、味が凝縮したコクのある唯一無二のワインを生み出したのだ。

「チンクエ・テッレは」モンテロッソ・アル・マーレ、ヴェルナッツァ、コルニリア、マナローラ、リオマッジョーレと個性豊かな5つの集落で構成され、そろって1997年に世界遺産にも登録。

ワインだけでなく観光の地としても栄えるチンクエ・テッレは、伝統と生活を支える地元民の取り組みと、小さな集落の驚くべき美しさに魅せられる観光客との、理想的なバランスの上に成り立っている。

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