はく製だらけの部屋に衝撃!チェコの世界遺産、テルチ城は個性的すぎる

「モラヴィアの真珠」と呼ばれるチェコの世界遺産の街、テルチ

この小さな街でもっとも壮大な建造物がテルチ城です。もちろんこの城も世界遺産「テルチ歴史地区」の一部。

意外と目立たないので通り過ぎてしまいそうになりますが、ここが城の入口です。

もともとは13世紀に建てられたゴシック様式の簡素な城でしたが、16世紀半ばに当時の領主、ザハリアーシュがイタリアから建築家を呼び寄せ、ルネッサンス様式の豪華な城に改築させました。

城内の見学はガイドツアーのみ。ガイドツアーには、豪華なルネサンス様式の部屋の数々を周るツアーA、城の最後の所有者、ポドスタツキー・リヒテンシュタインが住んでいたときの状態をそのまま残す部屋を見学できるツアーB、城の宝物などを展示するギャラリーを見て回るツアーCの3種類があります。

筆者はツアーAに参加してみました。イタリア・ルネッサンスが香る、かつての貴族の館に足を踏み入れてみましょう。

ツアーはこの城がゴシック建築として建てられた当時からある、最も古い部分からスタートします。

精巧なレリーフが印象的なのは「聖ジョージの礼拝堂」。もともと天井は16メートルの高さがありましたが、16世紀の改築時に大幅に縮められ、ルネッサンス様式の装飾が施されました。現在もわずかに残る色彩から、在りし日の美しい姿がしのばれます。


劇場ホールは、この城における社交の場でした。もともとは祝宴のための広間でしたが、19世紀にコンサートや演劇などが上演されたため、劇場ホールと呼ばれるようになったのです。

テルチ城内で、ある意味最も印象に残るのが次の部屋かもしれません。その名も「アフリカの間」。

この城の最後の所有者のおじ、カレル・ポドスタツキーが1903年から1914年のあいだ、5回にわたって訪れたアフリカでの狩りの収穫がここに展示されています。飾られている動物のなかには、現在では希少種となったものも。

こじんまりとした空間にところ狭しと並ぶ動物のはく製…これほど大量のはく製を一同に見る機会などそうそうないので、この奇妙な空間に圧倒されてしまいます。これらを集めたカレル・ポドスタツキーがいかに狩りに夢中だったかが伝わってきますね。

やはりユニークなのが「騎士の間」。床が大理石を模していることから、「大理石の間」とも呼ばれます。

ここに展示されている武具は美的にも歴史的にも重要なもので、16世紀に騎士の身を守った鎧や、13世紀に馬が身に着けた鎧など、興味深い品々を見ることができます。

天井の装飾も独特で、狩りで捕らえた動物の角などを用いて神話のモチーフが立体的に表現されています。

こんな天井、かつて見たことがあったでしょうか!今までに見たことがない、どこかユーモアを感じる装飾は、一度見ると忘れられないインパクトがあります。

そして、テルチ城でもっとも見ごたえのある空間が「黄金の間」。賓客の歓迎会や祝宴など、さまざまな用途に使用されました。

ここで最後の祝宴が催されたのは1904年のこと。床はハチのワックスで磨かれ、壁には絵画の代わりにヴェネツィアの鏡が架けられていたといいます。


天井の立体装飾はルネッサンス様式の木彫りの傑作。1561年ごろに施されたもので、英雄や古代神話の登場人物が描かれています。精巧な立体彫刻には目を見張るばかり…貴族の館らしい格式が感じられる空間です。

ガイドツアーの後は、美しく整備された庭園で、ゆったりと散歩を楽しんでみましょう。

ヨーロッパに豪華絢爛な宮殿は数あれど、このテルチ城ほど独特の個性が光る城はなかなかありません。

フランスのヴェルサイユ宮殿のように豪華というわけではありませんが、この城ならではのユニークな世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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