世界遺産の要塞の島 / フィンランドのスオメンリンナを歩く

フィンランドのスオメンリンナ島は、ユネスコの世界遺産に登録されている歴史ある島。

ヘルシンキからボートで15分ほどの距離の島には、まるで時が止まったかのような要塞や史跡が多く残されています。

それではヘルシンキから半日観光で人気のスオメンリンナ島を巡ってみましょう!スオメンリンナへのボートトリップのスタート地点は海沿いのマーケット広場。

船から眺めるヘルシンキの街並は素晴らしいもので、街の象徴である白亜のヘルシンキ大聖堂、玉ねぎ屋根のウスペンスキー寺院、カラフルなマーケット広場が綺麗に一枚の写真に収まります。地図で見ると距離があるように感じますが、実はスオメンリンナからヘルシンキの街は肉眼で見えるほどほど近い距離なのです。スオメンリンナに要塞が築かれたのは、スウェーデン統治時代の18世紀中頃。
ロシアの攻撃に備えたものでしたが、その後フィンランド戦争にスウェーデンが破れ19世紀にロシア領となりました。

20世紀初頭にフィンランドが独立した際にスオメンリンナもフィンランド領となり、小さな島ですが現在も住民が暮らしています。スオメンリンナ(Suomenlinna)はフィンランド語で「スオミ(フィンランド)の要塞」を意味します。

時折見かける看板などに書かれている「Sveaborg(スヴェアボリ)」というのもスオメリンナの事で、スウェーデン語でスウェーデンの要塞という意味で統治時代の名残を残している名前です。スオメンリンナ島は北欧らしいカラフルな建物と軍事要塞であった時代の建物が混在し、不思議な空気感を醸し出しています。

島のシンボル的な存在のスオメンリンナ教会は支配する国が変わるごとにカトリック、ロシア正教の教会となり現在は福音ルター派の教会です。

フィンランドという国がいかに隣国のスウェーデンとロシアの歴史に大きく翻弄されたかという事が感じられます。スオメンリンナ島を徒歩で巡る際には看板の青いルートに沿って歩くと、見どころを効率的に巡ることができるので半日観光のプランの方は必見です。

海沿いに突如現れる1930年代に製造されたヴェシッコ号は、第二次世界大戦で活躍した潜水艦。復元された船の中は博物館になっています。自然と色褪せた風合いのある建物の裏側には、迫力満点の乾ドックがあります。世界最古の乾ドックの一つで、なんと現在も古い木造船の修理などで利用されており、かつてはスウェーデン軍の船が多く製造されていたそうです。島の南に向かって歩いて行くと「キングスゲート」と呼ばれるスオメンリンナの正式な門が堂々とそびえ立っています。キングスゲートの近くの「クスターンミエッカ」には星形要塞とロシア統治時代に新に作られた土塁と大砲が残されており、長期にわたって軍事上の要所であったスオメンリンナの歴史に触れることができます。スオメンリンナ島は要塞や古い史跡も多くありますが緑の多い静かな島です。
ぜひヘルシンキからの日帰り旅行で世界遺産の島スオメンリンナを訪ねて見ませんか?

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