ゲーテ像前はスケートリンクに!ドイツの世界遺産の町・ワイマールのクリスマスマーケット

文豪ゲーテが生涯の大半を過ごした場所として、また民主的なワイマール憲法が制定されたことで知られるワイマール。

18世紀末から19世紀はじめにかけて、ゲーテとシラーを中心にドイツ古典主義が花開いた町は、「ワイマール―古典主義の都」として世界遺産に登録されています。

文学や芸術の町という印象の強いワイマールですが、アドベント(待降節:クリスマス前の約4週間)の時期には、ほかのドイツの多くの町同様にぎやかなクリスマスマーケットが開催されます。

ワイマールのクリスマスマーケットを象徴する風景のひとつが、国民劇場前の劇場広場。

ゲーテとシラーの像が立つこの劇場は、ゲーテの代表作「ファウスト」が初演された場所であるだけでなく、1919年にワイマール憲法が採択された場所でもあり、ワイマールにおける芸術と政治の舞台となってきました。

そんな由緒ある劇場前広場も、クリスマスマーケットが開催される時期にはスケートリンクに大変身。ブルーやピンクのライトが氷を照らし、音楽が流れ、ポップな雰囲気に包まれます。

日本人から見れば、重厚感漂うゲーテとシラーの像とは少々ミスマッチな光景にも思えますが、地元の人々にとっては世界遺産であろうと、偉人ゆかりの地であろうと、ここが日常生活の場であることに変わりはなく、憩いの場として親しまれているということなのでしょう。

この劇場広場からマルクト広場へと至る、シラー通りにもさまざまな屋台が並んでいます。

ワイマールのクリスマスマーケットはこぢんまりとしていながらも、ハンガリーの揚げパン「ランゴス」や、ハンガリーやルーマニアなどで食べられるバウムクーヘンのようなお菓子「「クルトシュ・カラーチ」、イタリアの小さな焼き菓子など国際色豊か。多彩な屋台グルメが揃い、見ているだけでも楽しくなります。

キャンドルスタンドや手袋、クリスマスオーナメントなど手づくりの温かみあふれる商品を扱う屋台もずらり。

レースを使ったオーナメントは東ドイツ伝統のクリスマス飾りです。西ドイツのクリスマスマーケットにも足を運ぶなら、ぜひ東西の違いにも目を向けてみてください。

シラー通りからフラウエントール通りに入って左に曲がると、古くからの町の中心であるマルクト広場はすぐそこ。ここがワイマールのクリスマスマーケットのメイン会場です。

市庁舎や画家のクラーナハが暮らした「クラーナハの家」をはじめ、壮麗な建物に囲まれたマルクト広場の中心には、大きなクリスマスツリーやクリスマスピラミッドが立ち、ひときわ華やかな光景が広がっています。

広場の入口で目を引くのは、ワイマールが位置するテューリンゲン州の名物、テューリンガー・ソーセージの屋台。

長いソーセージを丸パンに挟んで食べるのがお約束で、ハーブが効いたソーセージはあっさりと上品な味わいです。

筆者が特におすすめしたい屋台グルメが、「Rahmbrot」と呼ばれる窯焼きパン。

生地にサワークリームとベーコン、ネギをのせて焼いたもので、一見ピザに似ていますが、ピザよりも暗い色をした茶色っぽい生地で、噛めば噛むほど味が出ます。とりわけ、モチモチ、カリッとした食感が楽しめる焼きたては絶品ですよ。

日が落ちると、闇夜にライトアップされたクリスマスツリーとクリスマスピラミッドが浮かび上がり、ロマンティックなムードがさらに高まります。

有名クリスマスマーケットに比べると観光客が少なく、地元客中心のワイマールのクリスマスマーケットは、こぢんまりとまとまったアットホームな雰囲気が魅力。

ニュルンベルクやドレスデン、シュトゥットガルトなど、世界的に知られるクリスマスマーケットとはまた違った味わいのある、穏やかであたたかいワイマールのクリスマスマーケットに出かけてみませんか。

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