【秘境グルメ】まるでパンケーキのような衣の極厚トンカツがウマすぎる。長野県・木曽町「しらかべ」
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長野県木曽町といえば、木曽ヒノキで有名な山深い町。その景色の良さから、「日本で最も美しい村」連合にも加盟しているほどの特徴ある自然豊かな町でもある。
最近では「すんき」と呼ばれる幻の漬け物で一躍脚光を浴びているが、ほとんどの人が訪れる事の無い町であり、木曽町という名前を聞いて、長野県というイメージを持っているという方は少ないのではないだろうか。
しかし、いろいろな場所を旅行すると分かるのだが、どんな場所にも、それぞれの街や地域の方々がこよなく愛し、磨き上げられてきた絶品グルメが必ず1つや2つ存在する。
ただ、残念なことにその絶品グルメは、ほとんどの場合地元の人にとっては「常識」や「当たり前」のため、その街や地域以外の人にはなかなか知られることがないのが、現状である。他の場所から旅行者として訪れるから初めて発掘される、そんなグルメもあるのだ。
今回は、お世辞にもあまり人が訪れる事がない、しかしこの場所でしか絶対に味わえない、そんな激ウマのトンカツをご紹介したい。お店の名前は「しらかべ」。
・かつては厳しい一見さんお断りのお店
こちらのお店はかつては厳しい一見さんお断りのお店だったとのこと。代替わりをして今のマスターになったのだそうだが、時間の経過によって一見さんお断りのお店というルールを変え、この美味しいトンカツをいろんな方に召し上がって頂きたい、そう言う事から誰でも気軽に入れるお店になったとのこと。しかしルールは変えても、こちらのトンカツはこれまでの製法をしっかりと守っているのだ。
・まさしくワラジのようなトンカツ
こちらのトンカツ、まずビジュアルから度肝を抜かれる。1人前とは思えないほどの巨大さは、まるで大人のワラジほどもあろうかと言えるほどの大きさなのだ。そして特筆すべきはその厚さだ。3cmはあろうかという厚さは、まるでトンカツ界のエアーズロックとも言える。
・極厚のパンケーキのような衣
こちらのトンカツの一番の特徴は衣。実は外側の衣と内側の衣と2層構造になっており、外側の衣はカリっとしたパン粉主体、そして内側の衣はパンケーキのような柔らかでほんのり甘い味わいなのだ。そのため外側は非常に香ばしく、しかし内側はあくまで柔らかく、豚肉のウマミをしっかりと閉じ込め、さらにウマミを引き出す役割も担っているのだ。
・そのままでウマいトンカツ
まずはソースをつける事無く2層構造の衣と豚肉のウマミを感じてもらいたい。絶妙な火加減で仕上げられたトンカツは、どこまでも軽やかに口の中に入っていく。外側の衣の香ばしさ、内側の衣のほくっとした柔らかさ、そして豚肉のウマミ、それぞれの持ち味がそれぞれを引き出し合う絶妙なトンカツは、幸せとも言える味わいなのだ。
・継ぎ足しで守られてきた秘伝のソースをつかったソースカツ丼
添えられたトンカツソースを合わせたり、カラシを付けて食べても美味しいのだが、オススメしたいのがソースカツ丼だ。メニューには無いライスを追加注文して、ソースカツ丼にしていただけますか?と聞いてみると、トンカツソースではない、甘めのソースカツ丼用のタレを掛けて提供してもらえる。継ぎ足しで守られてきた秘伝のソースをつかったソースカツ丼は、トンカツとの相性もご飯との相性も、キャベツとの相性も抜群。このタレを味わうだけでも、この地を訪れる価値があると思わせてくれる。
普段なかなか出かけない場所、そんなところには、普段なかなか出会えない味や人達の気持ちがある、そんな事を痛感できるのが、何気ない旅なのだ。
ガイドブックに書いてない、聞いた事も無い、そんな場所にふらっと立ち寄ってみてはいかがだろうか?
そこには誰も知られることのない、自分だけの魂の休息場所といえるような安息の場所があるのかもしれない。
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お店 しらかべ
場所 長野県木曽郡木曽町福島上ノ段5302-6
営業時間 18:00~22:00
定休日 日曜、祝日