古代ローマ人が恋した、ドイツ最古の町コブレンツに行ってみよう!

ヨーロッパ大陸では、幾つかの国を通って流れる河川は、今も昔も重要な交通路として活用されてきました。

こうした重要な河川のうち、スイスを水源としてドイツ・オランダ内を流れる「父なるライン川」と、フランスからドイツへと流れる「母なるモーゼル川」が交差する場所にあるのが、ドイツ最古の町コブレンツです。

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この町の歴史は非常に古く、起源は遡ること紀元前9年。交通路や軍事拠点として活用できるという実務的な理由に加え、川の交わるこの光景に魅せられ、古代ローマ人がこの地に城砦と橋を建てたことが町の始まりとされます。

その後、12世紀にドイツ騎士団が正式にコブレンツを設立。地理的な優位性もあり、順調に繁栄をつづけます。

フランス革命時に一時フランス配下に置かれますが、19世紀前半には当時のプロイセン王国(後にドイツ帝国の一部)に戻りました。

ちなみにこの二つの川が交わる場所は、ドイチェス・エック(ドイツの角)と呼ばれ、ドイツ帝国の初代皇帝ヴィルヘルム1世の銅像が建てられました。その後、第二次大戦の爆撃により破壊されたものの、1993年再建され、今もこの重要な2つの川を見守るかのようにたたずんでいます。

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地理的に重要な拠点であるが故に、こうして幾つかの戦いに翻弄された歴史を持つコブレンツですが、もう1つ戦い続けていることがあります。

それは洪水との戦いです。特に、ライン川サイドでは、何度か大きな洪水が発生しているようです。川沿いには、その記録が示された碑があります。

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さて、この2つの川を見渡すのに絶好の場所があります。それは、ライン川対岸にそびえたつエーレンブライトシュタイン要塞です。

紀元前10世紀頃に要塞、1000年頃には城が作られたとされ、すでに12世紀の古文書にその存在が記されています。ヨーロッパで2番目に大きな要塞とされる現在の姿になったのは、19世紀前半です。

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エーレンブライトシュタイン要塞そのものや、また要塞の中にある博物館や公園など、見どころが満載なのですが、ここまで来たからには、雄大に流れるライン川とモーゼル川、川を行き交うクルーズ船や貨物船の様子を見ることを忘れずに!

天気がよければ、川面にあるカフェでくつろぎながらティータイムを過ごすことをオススメします。

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なお、2つの川沿いに加えて、可愛い古都コブレンツの町中を探索するだけでも、見どころ満載ですが、少し長めに日程を取って、マインツ~コブレンツまでのライン川クルーズやドライブもしてみてはいかがでしょうか。

この区間には、川沿いの小高い丘などに素晴らしいデザインの古城が幾つも建っています。こうした古城や要塞を含め、ライン渓谷中流上部の一部はユネスコ世界遺産に登録されています。

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船上から楽しむのもよし、途中下車しながら楽しむもよし。季節の良い時期にこのロマンチックな区域をぜひ満喫してみてはいかがでしょうか?

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