【世界の絶景】カタールの夜景から垣間見える歴史と日本の技術力


カタールという国にどういったイメージがあるでしょうか?

少し前だと、サッカー日本代表が94年アメリカワールドカップ出場をかけてサウジアラビアと戦った場所として知られているかもしれません。また最近ですと2022年のワールドカップサッカーの開催国としても有名になりました。

サッカー、というイメージが強いかもしれませんが、カタールは実は日本とも非常に強い結びつきを持つ国の一つでもあります。

様々な経緯があって現在のカタールの富は築かれていますが、その引き金はイラク・クウェート戦争にあります。

1990年当時カタールは現在のような富に溢れた国ではなく、国民一人当たりの年収もどちらかというと低い部類の国でした。

1990年イラクがクウェートに侵攻した事により、国境を接する世界有数の産油国・サウジアラビアも緊張状態となります。

実は世界有数の産油国・サウジアラビアには、アメリカの利権となっている油田がいくつもありました。

そのため、その利権を守るためにアメリカ軍がサウジアラビアに駐留することになります。戦争が集結した後、イスラム的な価値観を非常に厳格に守るサウジアラビア人からは、アメリカ軍への反発が強まっていきます。

その時にアメリカ軍に声をかけたのが、カタールでした。この事によりカタールはアメリカ軍が駐留する中東の一大拠点となります。

アメリカ軍の駐留によって地政学的リスクが下がったカタールに、ペルシャ湾に広がる広大なガス油田への投資が本格的に始まります。

それが巨大なLNGプラントの建設でした。このLNGプラントの建設を行ったのが、日本の千代田化工建設という会社です。千代田化工建設によって建設された世界初・世界最大規模の年産780万トンのLNGプラントQGXが、今のカタールの富の源といっても過言ではありません。

そんなカタールのLNGプラントから、現在日本は年間8,700万トンのLNGを輸入しています。6兆円とも言われるその輸入代金は日本の総輸入額の8.5%をも占める割合となっています。そのカタールのLNGが日本の豊かな生活をも支えています。

少し前置きが長くなりましたが、そのような背景で非常に豊かな国となったカタール。今では、一人当たりのGDPでは世界1位となっています。

なんとカタールでは、所得税もなし、電気代や学費等も無料だそうです。

そんなカタールの首都・ドーハに昨年オープンしたばかりのハマド国際空港に行ってみました。

カタール航空の本拠地で、中東ではドバイ空港に次ぐ規模を誇ります。

この空港で一番目をひくのは、ターミナル中央に鎮座する巨大なテディ・ベア。

スイスの芸術家によるアート作品だそう。カタールの王族はアート好きでも知られていて、空港にはこの他にも何かと目をひく現代アート作品が展示されています。

ハマド国際空港は、場所柄アジア・ヨーロッパ間の移動のハブ空港にもなっていて、多くの人が乗り継ぎで利用する空港です。

そのため、乗り継ぎまでの時間を楽しめるよう、多くの高級ブランドショップや、レストランが並んでいます。また子供用遊具や、最新のパソコンやテレビを自由に使えるスペースも。

また、乗り継ぎまでの間に眠りたいという人向けには、エコノミークラスで旅行している人にも快適に眠ることのできる仮眠室もあります。

さすがイスラム王国だけあって、通常のターミナルに併設して王族専用ターミナルや、礼拝用に巨大なモスクもあるそう。

ちなみにドーハでは、真夏の昼間には気温が50度近くまで上がります。

夜でも気温が30度を下回ることはほとんどなく、夏の間は多くの人が外に出ることを避けているそうです。

また、あまりに湿度が高いため、空気が曇って視界が悪くなるほど。華やかな夜景もかすんで見えます。逆に冬は気温が20度程度と温暖で過ごしやすいので、訪れるのであれば冬の間がオススメです。

様々な歴史の上に築き上げられている、カタールの富。その富を支えているのは日本の技術力だという事実も忘れてはいけません。

日々電気がつく、ガスが使える、そんな当たり前の生活を送る事ができる幸せに感謝すると、よりカタールの夜景は輝きに満ちたものとして感じる事ができるに違いありません。

Via:
年産780万トンの世界初・最大規模のLNGプラント(QGX)
カタールLNGプロジェクト・成功への軌跡 – 千代田化工建設

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