【日本居酒屋紀行】おそらく東京で最も美味しい「牛煮込み」を食べられるお店、月島の「岸田屋(きしだや)」


東京の吞ん兵衛たちがこよなく愛する居酒屋メニューの1つと言えば「煮込み」。おそらくそれぞれの吞ん兵衛がそれぞれの愛する「煮込み」の味があり、どれが一番というのは人によって様々であろう。

まことしやかにささやかれている東京三大煮込みや五大煮込みというものには、森下の「山利喜(やまりき)」、千住の「大はし」、月島「岸田屋(きしだや)」、立石「宇ち多゛(うちだ)」、門前仲町「大坂屋(おおさかや)」の5つが挙げられている。

どのお店ももちろん甲乙つけがたいのだが、その中でご紹介したいのが、月島の岸田屋(きしだや)さんだ。

・お客を大切にする懐の深い接客
多くの有名店ではその忙しさのため、お客に対する扱いがともすると少し雑になってしまっている、といったお店を散見する場合もあるかもしれない。しかし岸田屋は違う。大女将も女将も、その他接客して頂く全ての女性は、非常に物腰柔らかく、丁寧にどのお客とも平等に接してくれるのだ。そのため常連とおぼしきお客様であっても礼節をわきまえており、清々しいまでの鮮やかなオトナなお客が多い。価格はお客様に嬉しい価格で、さらにお酒も料理も絶品、そしてお客様への愛情すら感じる接客、そしてそれに伴うように上品なお客がつく、そんな好循環が生まれているこちらのお店は、もはや居酒屋界の女王様と言っても過言ではない。

・絶対に頼むべき「煮込み」
さて最高の「煮込み」だが、これは必ず頼むべきである。もちろんモツが何らかの事情で体が受け付けないと言う方は除くが、単に好き嫌いのレベルであるのであれば、だまされたと思って食べてみてもらいたい。巷の居酒屋では煮込みのもととなるモツは豚モツが主流だ。しかしこちらのお店は牛。新鮮なモツに非常に丁寧な手仕事が加えられた煮込みは、まったくモツ特有の臭みはなく、それぞれのモツがもつ独特の歯ごたえと牛モツのコクをしっかりと味わう事ができる、絶品の煮込みだ。

・隠れたオススメ「ズワイガニの酢の物」
たくさんの絶品メニューのうち、日本酒を好む方にとてもオススメなのが、ズワイガニの酢の物だ。ふっくらとしたズワイガニがたっぷりと入っているのにとても低価格で提供してくれるお店の優しさを感じてもらいたい。もちろん味も絶品だ。刻まれた柚子と散らされたゴマ、そして新鮮なキュウリとワカメがしっかりとウマいズワイガニの脇を固めてくれている。是非サッパリとしたズワイガニに日本酒を合わせてみてもらいたい。カニのウマミと日本酒が体の芯まで染み渡っていくに違いない。

・何を食べても最高の居酒屋、それが「岸田屋」
他にも非常に美味しいメニューがそろっている。肉豆腐はネギと牛肉のウマミをおおぶりの豆腐と一緒に味わえる最高のメニューであるし、アナゴの煮付けはしっかりと山椒が効いている、ただ甘いだけの煮付けではない、本物のあじわいだ。

本当の居酒屋の優しさに包まれておいしいお酒を嗜む(たしなむ)。まさにそんな時間を味わえるお店がこちらのお店だ。

吞ん兵衛であるのであれば、人生で1度は訪れておきたい、そんな宝物のようなお店であるにちがいない。

Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

お店 岸田屋(きしだや)
住所 東京都中央区月島3-15-12
営業時間  17:00~21:30
定休日 日・祝



この記事のお店・スポットの情報

お店・スポット名 : 岸田屋(きしだや)

住所 : 東京都中央区月島3-15-12